米 “イスラエルの防衛を支援” イランけん制するねらいか

中東のシリアにあるイラン大使館がイスラエルによるとみられる攻撃を受け、イランが報復措置をとる構えを示す中、アメリカは、イスラエルの防衛を支援する立場を示し、イランをけん制しています。

今月1日、シリアにあるイラン大使館がミサイル攻撃を受けたことをめぐり、イランはイスラエルによる攻撃だとして、報復を宣言しています。

イランによる大規模な報復攻撃の可能性も伝えられる中、アメリカ国防総省は11日、オースティン国防長官がイスラエルのガラント国防相と電話で会談したと発表しました。

声明によりますと、オースティン長官は、「イランの攻撃からイスラエルを守ることをアメリカは全面的に支援すると約束した」としていてイスラエルを支援する姿勢を強調することで、イランをけん制するねらいがあるとみられます。

一方、中東地域の緊張がこれ以上高まることのないよう、周辺諸国などへの働きかけも続いています。

アメリカ国務省のミラー報道官は11日の記者会見で、ブリンケン国務長官がイランと友好関係にある中国の王毅外相のほか、トルコのフィダン外相などと電話で会談したことを明らかにしました。

ミラー報道官は「ブリンケン長官は、イランと関係のある国々に対し、対立を激化させるべきではないとイランに伝えることが自国の利益にもなると伝えている」と述べ、緊張の激化を回避するための働きかけが強まっています。