ザポリージャ原発への攻撃「絶対に許されない」IAEA事務局長

ウクライナのザポリージャ原子力発電所に攻撃が相次ぎ、ロシア、ウクライナ双方が相手の攻撃だと主張するなか、11日、IAEA=国際原子力機関の理事会の緊急会合が開かれました。グロッシ事務局長は「原発への攻撃は許されない」と強い懸念を示し、自制を求めました。

ロシア軍が占拠を続けるウクライナ南部のザポリージャ原発を巡って、ロシア側は今月9日まで3日連続でウクライナ軍の無人機による攻撃を受けたと発表しました。

一方、ウクライナ側はロシアの自作自演だと反発し、ロシアによる攻撃だとしています。

こうしたなか両国の要請で、11日、IAEAの理事会の緊急会合がオーストリアのウィーンで開かれました。

会合の冒頭、IAEAのグロッシ事務局長は、今月7日の攻撃では原子炉がある建物の屋根を直撃したと説明し「原発への攻撃は絶対に許されない。攻撃は原子力の安全を危険にさらすことを意味する」と述べ、強い危機感を示しました。

また、今回の攻撃で原発の安全性が深刻に脅かされる事態は起きていないとしながらも「今後も同じであると考えるのは無責任だ」とも述べ、自制を求めました。

一方で攻撃がどの国によるものかは明言しませんでした。

ザポリージャ原発は砲撃などによって原子炉の冷却に必要な外部からの電力の供給が途絶える事態がたびたび起きていて、原発の安全性への懸念が続いています。