名古屋大病院で医療ミス 肺がん疑いで適切な対応せず患者死亡

名古屋大学医学部附属病院は、8年前、CT検査を受けた患者に肺がんの疑いがあることが分かっていたのに、適切に対応せず治療が遅れ、その後、患者が死亡する、医療ミスがあったと発表しました。病院側は先月、遺族に謝罪したということです。

これは、11日、名古屋大学医学部附属病院が会見で明らかにしました。

病院によりますと、2016年3月、前立腺がんの治療のため通院していた高齢の男性患者が、胸や腹部のCT検査を受けた際に、放射線科の医師が肺がんの疑いがあるため再検査するようレポートで指摘したということです。

しかし、この患者を担当していた泌尿器科の男性医師は、レポートの内容を見落とし、再検査などを行わず、この患者は2019年7月になって肺がんと診断され、おととし死亡したということです。

病院は、適切に対応していれば、早期に肺がんの治療を始め、患者が生存できていた可能性があるとして、医療ミスを認め、先月、遺族に経緯を説明して謝罪したということで、今後、賠償を行うということです。

会見で丸山彰一病院長は「多大なる不安と不信感を与えたことについて心よりおわび申し上げたい」と謝罪しました。

名古屋大学医学部附属病院では、2014年8月以降、画像診断の内容を見落とすなどの医療ミスが今回も含め6件明らかになっていて、病院は再発防止に向けて一丸となって取り組むとしています。