衆院 政治資金問題受け 政治改革を議論する特別委員会設置

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、衆議院は11日、政治改革を議論する特別委員会を設置しました。特別委員会では、後半国会の最大の焦点となる政治資金規正法の改正に向けた議論が行われる見通しです。

今回の問題を受けて、衆議院は11日の本会議で「政治改革に関する特別委員会」を設置することを全会一致で決めました。

委員の人数は前身となる特別委員会から、5人増やして40人とし、委員長は引き続き自民党の石田元総務大臣が務めます。

特別委員会では、後半国会の最大の焦点となる政治資金規正法の改正に向けた議論が行われる見通しです。

この法改正をめぐっては公明党と野党各党がそれぞれ案をまとめていて、自民党は与党で足並みをそろえるため公明党と事前に具体案の調整を行うことにしています。

これに対し立憲民主党は問題の実態解明に向けて岸田総理大臣の出席を求め、追及を続ける構えで、議論の進め方などについて与野党の話し合いが行われる見込みです。

一方、参議院でも12日の本会議で「政治改革に関する特別委員会」が設置されることになっています。

与党側筆頭理事 自民 大野衆院議員「信頼回復に向かう案を」

特別委員会で与党側の筆頭理事を務める自民党の大野敬太郎衆議院議員は記者団に対し「自民党は真摯(しんし)に反省した上でしっかりと再発防止をしなくてはならない。今の国会中に政治資金規正法の改正を仕上げていくことを念頭に野党とも協議したい。自民党の中にも野党の中にもさまざまな意見があるので調整し、確実に信頼回復に向かっていける案をまとめたい」と述べました。

自民 石田元総務相「真摯な議論 速やかに法案の成案得たい」

「政治改革に関する特別委員会」の委員長を務める自民党の石田 元総務大臣は記者団に対し「政治資金や選挙制度の問題は民主主義の根幹をなすものであり、まずは各党で真摯な議論を行い、速やかに法案の成案を得たい」と述べました。

また、野党側が特別委員会で実態解明に向けて追及を行う構えを見せていることについて「与野党の筆頭理事の間で議論してもらえればいいと思っている」と述べました。

野党側筆頭理事 立民 笠 国対委員長代理「全力挙げる」

特別委員会で野党側の筆頭理事を務める予定の立憲民主党の笠 国会対策委員長代理は記者団に対し「自民党の派閥による裏金事件で、政治に対する信頼が大きく揺らぎ、国民から厳しい目が注がれている。罰則の強化や企業・団体献金の禁止など、しっかりした政治改革を実現できるよう全力を挙げる。ほかの野党や、場合によっては公明党とも協議をまとめながら、自民党に実現を迫っていくことが大事だ」と述べました。

一方「残念ながら、いまだに自民党は全く説明責任を果たしていない。引き続き特別委員会でも厳しく追及していきたい」と述べました。

立民 長妻政調会長「企業・団体献金を禁止することが肝要」

立憲民主党の長妻政務調査会長は記者会見で「特別委員会には、徹底的な実態解明と抜け道のない法律をつくる2つの役割がある。カネの力で国の予算や法律がゆがめられるのを根本的に直すには、企業・団体献金を禁止することが肝要だ」と述べました。

その上で、政治資金規正法の改正に向けた自民・公明両党の調整について「公明党は『連座制』を導入すると断言しているので、自民党に押し切られず、きちんとした案をつくってもらいたい。自民党には、ぬるい処分で一件落着にしてはならないと肝に銘じてもらいたい」と述べました。

維新 馬場代表「法の抜け道をすべてふさいでいく作業を」

日本維新の会の馬場代表は、記者会見で「自民党の肩を持つ気は一切ないが、司法の捜査によって事件の一定の結論は出ており、再発防止をきちんとすることで国民の政治に対する信頼が回復していくのではないか。法の抜け道をすべてふさいでいく作業を進めていくべきだし、国会議員に毎月100万円支給される『調査研究広報滞在費』の使途公開は絶対の獲得目標として特別委員会に臨む」と述べました。

共産 田村委員長「今度こそ金権腐敗の根を絶つ政治改革を」

共産党の田村委員長は記者会見で「特別委員会には2つの大きな仕事があり、裏金事件の真相究明を徹底して行っていくと同時に、今度こそ金権腐敗の根を絶つ政治改革をやらなければならない。企業・団体献金の全面禁止は、野党がそろって求めているので、何としても実現したい」と述べました。