ウクライナ側に立って戦うロシア人義勇兵組織が訓練を公開

ロシアの軍事侵攻が続く中、ウクライナ側に立って戦い、3月にはロシアへの越境攻撃も行ったとされるロシア人義勇兵の組織「シベリア大隊」が、訓練の様子をメディアに公開し、今後もロシア側への越境攻撃も辞さない姿勢を示しました。

ウクライナでは10日、東部ハルキウ州のロシアとの国境に近い地域がロシア軍の砲撃を受け、14歳の少女を含む3人が死亡し2人がけがをしたと、地元の知事がSNSで明らかにしました。

こうした中、プーチン政権に対抗してウクライナ側に立って戦っているロシア人義勇兵の組織「シベリア大隊」が10日、キーウ州にある訓練場でNHKを含む一部のメディアに訓練の様子を公開しました。

シベリア大隊には、志願したロシア国籍の20代から60代の男性が参加しているということで、この日の訓練では防弾チョッキやヘルメットなどの装備をつけたおよそ30人の兵士が銃の取り扱いなどの指導を受けていました。

シベリア大隊は3月行われたロシアの大統領選挙にあわせ、ウクライナと国境を接するロシア西部のベルゴロド州に越境攻撃を仕掛け、自治体の庁舎を一時掌握したとしています。

作戦に参加したという30代の兵士は「作戦の狙いはロシア兵が予期していない場所に奇襲をかけること、そして東部や南部の前線からロシア軍の兵力を引き剥がすことだった」と話していました。

そのうえで「シベリア大隊の目的はプーチン政権を止めることだ。ロシア軍とはいつでも必要に応じて戦う。ウクライナ領内でもロシア領内でもだ」と述べ、今後もロシア側への越境攻撃も辞さない姿勢を示しました。