防衛省 沖縄 うるま市の陸自訓練場整備計画“白紙撤回”で調整

沖縄県うるま市のゴルフ場跡地に陸上自衛隊の訓練場を整備する計画をめぐり、防衛省は、地元から反対の意見が相次いでいることを踏まえ、土地を取得しない可能性も含め、計画を白紙に戻す方向で調整していることがわかりました。

沖縄県うるま市のゴルフ場跡地に陸上自衛隊の訓練場を整備する計画をめぐっては、周辺が住宅地であることなどから地元の住民から撤回を求める声が相次ぎ、岸田総理大臣は、土地利用のあり方を再検討する考えを示していました。

これについて防衛省は、地元の理解を得るのは難しいとして、訓練場として整備することは断念し、土地を取得しない可能性も含め、計画を白紙に戻す方向で調整していることがわかりました。

11日にも、こうした方針をうるま市側に伝えることにしています。

ただ防衛省は、計画の撤回を正式に決定した場合でも、沖縄県内に訓練場を整備する必要があるとしていて、かわりの場所を検討していく見通しです。

沖縄 玉城知事「住民の声に真摯に向き合う姿勢 堅持を」

沖縄県の玉城知事は11日午前9時すぎに「大歓迎だ。政府は住民の声に真摯(しんし)に向き合うという姿勢をこれからも堅持していただきたい。おそらく沖縄県内どこにも訓練施設は要らないという声もあるはずなので、引き続き我々もそういう住民の声、民意を尊重していただくよう要望していきたい」と述べました。

うるま市の地元住民は

防衛省が、陸上自衛隊の訓練場を沖縄県うるま市石川に整備する計画を白紙に戻すと11日にもうるま市長らに伝えることについて、石川地区の83歳の女性は「この地域の多くの人が訓練場の計画に反対しています。私が国から訓練場の計画を白紙にすると聞いた訳ではないので安心はできません」と話して、地元でも説明するよう求めました。

また、訓練場の予定地と隣接する「県立石川青少年の家」の所長で地元出身でもある石原昌二さん(66)は「保守や革新関係なくこの場所に訓練場をつくるのは問題だと訴えてきたのが国に通じたと思っています。ずっと国の動きを見続け、もし国が考えを変えるならまた反対に向けて行動したい」と話していました。