イオン 決算 売り上げと営業利益が過去最高に

流通大手のイオンは、ことし2月までの1年間の決算で売り上げと営業利益が過去最高となりました。食品の物価上昇が続く中、プライベートブランドの販売を強化することなどで利益を伸ばし、今期の売り上げは初めて10兆円に上る見通しだとしています。

イオンが10日に発表したことし2月までの1年間のグループ全体の決算は、売り上げが前の年より4.8%多い9兆5535億円、営業利益は19.6%多い2508億円となり、いずれも過去最高で、最終的な利益は前の年の2倍以上に増えました。

食品の物価上昇で消費者の節約志向も高まる中、利益率の高いプライベートブランドの商品などが好調で、国内のスーパー事業などで利益が伸びたということです。

来年2月までの1年間では、売り上げが初めて10兆円に上るという見通しを示す一方で、コスト面では物流費の増加に加え、賃上げなどに伴う人件費が650億円増えることが見込まれるとしています。

吉田昭夫社長は記者会見で「年金生活の人など賃上げの恩恵を受けられない人の割合も高い。また食品価格の上昇で家計の『エンゲル係数』が高くなっていて、状況をとらえてニーズに応えていきたい」と述べました。

一方、流通最大手のセブン&アイ・ホールディングスは、新型コロナの5類移行で国内のコンビニ事業が好調だったことなどから、ことし2月までの1年間のグループ全体の決算で、営業利益が5342億円と過去最高となりました。

ただ、「そごう・西武」の売却に伴う1296億円の特別損失を計上したことから、最終的な利益は前の年より20.1%減りました。