イスラエル首相 ラファへの地上作戦 あくまでも実行の考え強調

イスラエルのネタニヤフ首相は、多くの避難者が身を寄せるガザ地区南部のラファへの地上作戦について、あくまでも実行する考えを重ねて強調しました。イスラム組織ハマスが戦闘の休止などをめぐる交渉で示された提案について検討するとしている中、ハマス側に圧力をかけ揺さぶるねらいもあるとみられます。

ガザ地区では、イスラエル軍が南部ハンユニスからの撤収を明らかにしたあとも空爆などが続き、地元のメディアは9日、南部や中部で複数の死傷者が出たとしています。

現地の保健当局は、これまでの死者はさらに153人増え、3万3360人になったと発表しました。

イスラエルのネタニヤフ首相は9日、「世界中のいかなる勢力もわれわれを止めることはできない」と述べ、多くの避難者が身を寄せるガザ地区南部のラファへの地上作戦について、あくまでも実行する考えを重ねて強調しました。

ネタニヤフ首相は前日も「勝利のためにはラファに入り、テロリストの排除が必要だ。作戦の日は決まっている」などと述べました。

これについて、アメリカのブリンケン国務長官は9日、記者会見で「イスラエル側から伝えられた日付けはない」と述べ、来週、作戦をめぐってイスラエルと協議する場を設ける見通しだと明らかにしました。

その上で「協議の前に何らかの行動がとられるとは考えていない」と述べ、すぐに作戦が実行されることはないという見方を示しました。

ハマスは、戦闘の休止と人質の解放などをめぐる交渉で、示された提案について検討するとしていて、イスラエル側としてはハマス側に圧力をかけ、揺さぶるねらいもあるとみられます。