トルコ 軍事作戦続けるイスラエルへの輸出制限措置を発表

トルコ政府は、イスラエルが国際社会からの停戦の呼びかけを無視して、ガザ地区での軍事作戦を続けているとして、鉄鋼材などの輸出を制限する措置をとると発表しました。これに対しイスラエル側も対抗措置をとる考えを示しています。

トルコの商務省は9日、イスラエルに対し、主な輸出品となっている鉄鋼材のほか、セメントやジェット燃料など、54品目の輸出を制限する措置をとると発表しました。

発表では「イスラエルがガザ地区での即時停戦を宣言し、十分な量の人道支援物資を途切れることなく届ける許可を出すまで、措置を続ける」としています。

一方、イスラエルのカッツ外相は、自身のSNSへの投稿で「エルドアン大統領はハマスの殺人者たちを支援し、トルコ国民の経済的利益を犠牲にしている」と反発したうえで、「トルコの輸出を止める製品のリストの作成を命じた」として、対抗措置をとる考えを示しています。

イスラエルの中央統計局によりますと、去年イスラエルはトルコからの輸入額が46億ドルで、中国やアメリカなどに次いで5番目の規模でした。

トルコでは、エルドアン大統領がイスラエルを「テロ国家だ」などと繰り返し非難しながら、貿易を続けていることに対して、「パレスチナへの裏切りだ」とする声もあがっていて、輸出制限はこうした国内世論を意識したものとみられています。