江東区選管 受理の前区長収支報告書 違法指摘直後に内容削除

インターネットに自身への投票を呼びかける有料広告を掲載したとして、前の区長が公職選挙法違反の罪に問われている去年4月の江東区長選挙をめぐって、区の選挙管理委員会事務局が、前の区長の収支報告書の内容の一部が「一般論として違法である」と本人に指摘した一方、直後に、その内容が削除された報告書を受け取っていたことがわかりました。報告書の差し替えなどの記録は残されておらず、事務局は運用を見直すとしています。

去年4月の区長選挙をめぐっては、木村弥生前江東区長が、柿沢未途元衆議院議員と共謀して、インターネットに自身への投票を呼びかける有料広告を掲載させるなどしたとして、公職選挙法違反の罪に問われています。

区によりますと、
▽選挙直後の去年5月に提出された収支報告書には有料広告の費用の記載はありませんでしたが、
▽6月に費用が記載された報告書に差し替えられ、提出されたということです。

その後、
▽区長室に呼ばれた選挙管理委員会事務局の職員が前区長に対し、「一般論として有料広告は違法である」といった内容を説明し
▽その日のうちに、前区長側が費用を削除した報告書に差し替えて提出し、
事務局は受け取ったということです。

区の選挙管理委員会事務局は、公表前の報告書の差し替えは、前区長にかぎらず認めてきたとしています。

ただ、この間の報告書の差し替えの記録は残していませんでした。

去年12月に就任した大久保朋果区長は、9日の定例会見で「そういった運用のしかたは今後、見直すと聞いている。選挙管理委員会や事務局は中立でなければならない」と述べました。

また、違法性を指摘しつつ、差し替えた報告書を受け取ったことについて、区の選挙管理委員会事務局は「出納責任者が法にのっとり、真実に相違ない旨を署名・なつ印により宣誓しているため」としています。