富士山で「スラッシュ雪崩」土砂が滑落 住宅被害は確認されず

9日午前、富士山の標高2000メートル付近などで土砂が一気に流れ下る現象が確認され、国土交通省の富士砂防事務所は雨を含んだ雪が土砂と一緒に滑り落ちる「スラッシュ雪崩」と呼ばれる現象だとしています。住宅への被害は確認されていませんが、砂防事務所が規模を調べることにしています。

国土交通省の富士砂防事務所によりますと富士山の標高およそ2000メートルにある山梨県鳴沢村に設置されたカメラで午前8時半ごろ、土石流のような現象が捉えられました。

大沢川の上流部に当たり、撮影された映像からは黒い土砂などが複数回流れていくのが確認できます。

砂防事務所によりますと、時速は60キロほどだとみられるということです。

これは雨を含んだ雪がシャーベット状になって土砂と一緒に滑り落ちる「スラッシュ雪崩」だということで気温が上昇し、まとまった雨が降ると発生しやすくこれまでもたびたび確認されています。

スラッシュ雪崩はその後も断続的に発生したということで午前9時40分ごろにも確認されたほか下流に当たる観測所でも午前10時すぎに映像で確認されています。

砂防施設で受け止められ、住宅への被害は確認されていませんが、標高1500メートルほどにある静岡県富士宮市の大滝観測所では、土石流が流れ込み大沢川の水位を測る水位計のついた鉄塔の一部が折れる被害が出たということです。

今後、砂防事務所が規模などを調べるとしています。