能登半島地震の復旧・復興 “集約的まちづくり検討を”財政審

国の予算のあり方を議論する財務大臣の諮問機関は、今後のインフラ整備は人口減少が続くことを念頭に進めていく必要があるとして、能登半島地震の復旧・復興にあたっては、住民の意向を踏まえつつ、集約的なまちづくりを検討すべきだと提言しました。

9日開かれた財政制度等審議会では、人口減少社会におけるインフラ整備などをテーマに議論が行われました。

この中で、財務省の担当者は、東日本大震災では、東北3県で6500億円余りを投じて地盤のかさ上げ工事などを行ったものの、人口減少などを背景に3割近い土地が活用されていない実態があると指摘しました。

その上で、能登半島地震の復旧・復興にあたっては、将来の需要の見通しやインフラの維持にかかる負担が課題になるとして、住民の意向も踏まえつつ集約的なまちづくりを検討すべきだと提言しました。

委員からは、将来の世代も想定したコンパクトなまちづくりが必要だとか、議論を進める際には地域ごとの実情に配慮することも求められるといった意見が出されました。

審議会の増田寛也分科会長代理は会議後の記者会見で「地震で甚大な被害が出た地域は、今のタイミングで将来のまちづくりを議論するのは難しいと思うが、復旧状況を見ながら徐々に議論を始めるべきだ」と述べました。