台湾 馬前総統の抗日戦争記念館訪問を伝える 中国国営メディア

中国の国営メディアは、台湾の馬英九前総統が北京郊外の「抗日戦争記念館」などを訪れ「両岸の人々はいずれも日本軍の迫害にあった」と述べたと伝えました。中国としては、日本との戦争の歴史などを通じて台湾との結びつきを強調するねらいがあるとみられます。

今月1日から中国を訪問している台湾の馬英九前総統は8日、北京郊外の盧溝橋や「抗日戦争記念館」を訪れました。

国営の中国中央テレビは、馬前総統が「中国大陸であれ、台湾であれ、両岸の人々はいずれも日本軍の迫害にあい、おびただしい死傷者が出た」と述べたと伝えました。

また中国国営の新華社通信によりますと、馬前総統は6日、内陸部・陝西省にある歴史的な資料を保管する施設を訪れ、沖縄県の尖閣諸島が中国側の領土に属することを示したとされる「明」の時代の書物について説明を受けました。

このあと、馬前総統は、尖閣諸島について「書物によれば琉球に属さないことが証明されている」と述べたということです。

この書物は、去年、習近平国家主席も同様の説明を受けたと報じられていて、馬前総統が習主席と歩調をあわせて尖閣諸島の領有権を主張した形です。

中国としては、日本との戦争の歴史や尖閣諸島の領有権の主張を通じて台湾との結びつきを強調するねらいがあるとみられます。