プラ製品などの原料エチレン 国内生産設備 約10年ぶりに停止へ

プラスチックなどさまざまな化学製品の基礎原料となるエチレンの国内の生産設備がおよそ10年ぶりに停止されることになりました。中国の生産拡大などで国内メーカーは合理化を迫られています。

三井化学と出光興産は、千葉県にあるコンビナートで共同運営するエチレンの生産設備2基のうち1基について、2027年度をめどに停止する検討に入りました。

生産能力をおよそ4割削減する方針で、国内メーカーによる設備の停止はおよそ10年ぶりとなります。

エチレンは、プラスチックなどさまざまな化学製品の基礎原料となり、石油化学製品の市況をみる指標とされています。

石油化学工業協会によりますと去年の国内生産量はおよそ30年ぶりの低水準となっていて、中国の生産拡大などを背景に国内の設備の稼働率が1年半以上にわたって低迷していました。

国内メーカーの間では、レゾナック・ホールディングスもエチレンの生産設備がある大分市のコンビナートの事業を2年から3年後をめどに分離・独立させ、半導体関連の事業に集中する方針を明らかにしています。

このほか、三菱ケミカルグループも、石油化学事業を分離して他社との再編を検討する方針で、生産や事業の合理化の動きがさらに進むことも予想されます。