3月の景気ウォッチャー調査 2か月ぶりに低下 物価上昇など影響

働く人に景気の実感を聞く3月の景気ウォッチャー調査は、物価の上昇や気温の低下に伴い春物衣料の販売が振るわなかったことなどから、景気の現状を示す指数が2か月ぶりに前の月を下回りました。

内閣府は働く人たち2000人余りを対象に、毎月、3か月前と比べた景気の実感を聞いて指数として公表しています。

3月の調査では景気の現状を示す指数が49.8となり、2月を1.5ポイント下回って2か月ぶりに低下しました。

調査の中では、
▽南関東地方の衣料品専門店から「物価上昇の影響で来店客が少ない」といった声や
▽近畿地方のデパートから「気温が低い日が続き、特に春物の婦人服の販売が動いていない」といった声が寄せられていました。

一方で、外国人旅行者の増加による需要の高まりを指摘する声もあり、内閣府は、景気について「緩やかな回復基調が続いているものの、一服感がみられる」という見方を維持しました。

また、2か月から3か月先の景気の先行きを示す指数は、2月より1.8ポイント低い51.2と、5か月ぶりに低下しました。

先行きをめぐっては、日銀のマイナス金利政策の解除について、
▽中国地方の住宅販売会社から「消費者のマインドを一時的に下げる可能性がある」といった声のほか
▽甲信越地方の金融業から「株価の上昇もあわせ、よい影響を波及させるのではないか」といった声が寄せられました。