ダイハツ・トヨタの海外事業 開発から認証までトヨタが責任

ダイハツ工業による国の認証取得の不正問題を受け、ダイハツと親会社のトヨタ自動車は、小型車の海外事業の体制を見直すことを発表しました。開発から認証までをトヨタが責任を持つ体制にするとしています。

ダイハツとトヨタは小型車の海外事業について、両社にまたがる社内組織「新興国小型車カンパニー」が商品企画などを行い、実際の車の開発や生産はダイハツが中心となって担う体制としてきました。

発表によりますと、両社は、来月1日付けでこのカンパニーを廃止し、トヨタが開発から国の認証取得まで管理を行う形で責任を持つ体制に変更するとしています。

そのうえで、認証取得はトヨタが行う一方、実際の開発はダイハツに委託する形に切り替えます。

第三者委員会の報告書では、ダイハツがトヨタの海外事業のプロジェクトに関与し、事業を拡大した結果、短期開発のプレッシャーが高まったことが指摘されていました。

一方、ダイハツは、経営責任を明確にするとして、先月退任した松林淳元会長や奥平総一郎前社長など3人が昨年度の賞与を全額返納したことを明らかにしました。

ダイハツは、国の基準適合が確認された車種から順次、生産を再開していますが、2022年度に合わせておよそ11万台が生産された3車種で再開のめどが立っていません。

トヨタ 中嶋副社長「開発・認証に対して責任をトヨタがとる」

トヨタ自動車の中嶋裕樹副社長は8日、記者団の取材に対し、ダイハツとの間で小型車の海外事業の体制を見直すことについて「認証に対してダイハツがどれだけのリソースを構えているのか、トヨタがしっかり確認できていなかった。この点がいちばん大きな課題であり、開発・認証に対して責任をトヨタがとるという形にする」と述べました。

ダイハツ 井上社長「グループ内での再定義が信頼回復の手段」

ダイハツ工業の井上雅宏社長は8日の記者会見で「今後の新興国の小型車はダイハツとトヨタグループが強みや弱みを補完する形で、その力を発揮していきたい。ダイハツ単独でのビジネスを考えるのではなく、グループの中でのダイハツの役割と責任を再定義することが信頼を回復する手段だと考えている」と述べました。