昨年度倒産件数 前年度比約30%増 「ゼロゼロ融資」返済本格化

昨年度の倒産件数は、いわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が本格化したことなどから8800件余りと、前の年度と比べて、およそ30%増えたことが分かりました。

民間の信用調査会社、帝国データバンクによりますと昨年度、全国で1000万円以上の負債を抱え、法的整理の手続きをとった事業者の数は8881件と、前の年度と比べて30.6%増えました。

これは、新型コロナの感染拡大を受けたいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が本格化したことや社会保険料の支払い猶予が終了したことなどが主な要因だとしています。

また、昨年度、人手不足で事業の継続が難しくなったことを要因とする倒産件数は313件と、前の年度の2倍以上に増えていて、業種別では建設業やサービス業、それに運輸業で目立っているということです。

日銀は、先月賃金と物価の好循環の実現が見通せる状況になったとして、マイナス金利政策の解除を決めましたが、今後、貸出金利が上昇した場合の中小企業への影響が注視されています。

林官房長官「総合的に支援していきたい」

林官房長官は午後の記者会見で「今後は、中小企業の稼ぐ力を高めることで、失業率が上がってしまうような不適当な水準での倒産増加が起こらないようにすることが重要だ。価格転嫁対策、省力化などの生産性向上、事業承継支援など、総合的に支援していきたい」と述べました。