ロシア “ウクライナ南部の原発にウクライナ軍の無人機攻撃”

ロシアは、占拠を続けるウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所にウクライナ軍の無人機による攻撃があり、原発に異常はないものの、3人がけがをしたと主張しました。

IAEA=国際原子力機関は誰が行ったかは言及せず、こうした無謀な攻撃が重大な原発事故のリスクを高めるとして、直ちにやめるよう求めています。

ロシアが占拠を続けるウクライナ南部のザポリージャ原発について、ロシア国営の原子力企業「ロスアトム」は7日、原発に対しウクライナ軍の無人機による攻撃があったと主張しました。

6号機の屋根や食堂に隣接する場所が攻撃を受け3人がけがをしたとしています。

ただ原発に重大な被害はなく、原発とその周辺地域の放射線量の値に変化はないということです。

原発に専門家を常駐させているIAEAはSNSで、6号機の損傷は原発の安全性を損ねるものではないとしながらも無人機による攻撃が原子炉にも物理的な衝撃を与えたことを確認したと明らかにしました。

IAEAのグロッシ事務局長は誰が行ったかは言及せず「このような無謀な攻撃は重大な原発事故のリスクを著しく高めるものであり直ちにやめるべきだ」とする声明を出しました。

一方、ウクライナ国防省情報総局の報道官は、地元メディアに対し「ウクライナはザポリージャ原発の敷地で起きた、いかなる武力挑発にも関与していない」と否定しました。

ザポリージャ原発は相次ぐ砲撃などによって原子炉の冷却などに必要な外部からの電力の供給がたびたび途絶えるなど安全性への懸念が続いています。