河原の石を水槽に入れたら…国内報告1例の「まりも」が出現

神奈川県内にすむ男性が河原で拾った石を熱帯魚を飼育している水槽に入れていたところ「まりも」が現れ、国立科学博物館で調べた結果、これまで国内で1例しか報告例がない珍しい「まりも」だったことが分かりました。
研究チームは、ほかにも見つかる可能性があるとして情報提供を呼びかけています。

見つかったのは、まりもの一種「モトスマリモ」です。

北海道の阿寒湖などに生息する「マリモ」と富山県などで確認されている「タテヤママリモ」の2種に続く国内3種目としておととし、山梨県の個人が所有する水槽から発見されました。

国立科学博物館によりますと、神奈川県内の住宅の水槽の中にまりもが現れ、遺伝情報などを調べた結果、国内2例目の「モトスマリモ」と確認されたということです。

水槽の持ち主の男性に聞いたところ、3年前、多摩川の河原で拾った石を熱帯魚を飼育している水槽に入れたところ、しばらくしてから石の表面に付着した藻が丸くなりだし、去年末になり数が増えてきたということです。

研究チームでは今後、多摩川など野外での調査も進める一方、水槽から見つかるケースがほかにもあるとみて情報提供を呼びかけています。

国立科学博物館の辻彰洋 研究主幹は「一般的な『マリモ』と異なり、温水の環境に耐えられるなど人工環境下で増えやすい特徴があると考えられる。水槽の中から入れた覚えのない『まりも』が見つかったら教えてほしい」と話しています。