米 日 フィリピン 海洋協力を協議する枠組み設置で合意へ

岸田総理大臣が来週、アメリカを訪問するのに合わせて開かれる、日米にフィリピンを加えた初めての首脳会談で3か国は、南シナ海での活動を活発化させている中国を念頭に、海洋での協力について協議する枠組みを新たに設置することで合意する見通しであることが明らかになりました。

アメリカのバイデン大統領は、岸田総理大臣を国賓待遇で首都ワシントンに招き、今月10日に日米首脳会談などを行った後、翌11日には、フィリピンのマルコス大統領も加えて、初めてとなる3か国の首脳会談を行う予定です。

3か国の会談では、南シナ海でフィリピンが実効支配するセカンド・トーマス礁の海域で中国海警局の船がフィリピン軍の拠点に向かっていた運搬船に放水銃を発射するなど、攻撃的な行動を続けていることへの対応が主要な議題の1つとなります。

外交筋によりますと会談では、中国を念頭に、3か国間の調整や集団的な対応能力を向上させ、海洋での協力を促進するための協議の枠組みを新たに設置することで合意する見通しです。

さらに会談では、ことし中に、アメリカの沿岸警備隊の船に日本の海上保安庁とフィリピンの沿岸警備隊の要員が乗船し、インド太平洋地域でパトロールを実施することや、来年中には、3か国の沿岸警備当局の船が相互運用能力を高めるため、合同で訓練などを行うことを確認する方向で最終調整しているということです。

バイデン政権は、南シナ海での中国の行動への警戒感を強めていて、今回の首脳会談を通じ、3か国の海洋での連携を深めたい考えです。