NGOスタッフ死亡 国連安保理が緊急会合 各国から非難相次ぐ

国連の安全保障理事会でガザ情勢をめぐる緊急会合が開かれ、イスラエル軍の攻撃で国際的なNGOのスタッフが死亡したことについて、各国から厳しく非難する発言が相次ぎ、さらにイスラエルが先週安保理で採択された停戦を求める決議に反して攻撃を続けているとして、多くの国が不満を表明しました。

5日に開かれた安保理の緊急会合では、ガザ地区で食料支援活動にあたっていた国際的なNGOのスタッフ7人がイスラエル軍の攻撃で死亡したことについて、各国からイスラエルを厳しく非難し徹底した調査を求める声が相次ぎました。

多くの国がこれまでに人道支援にあたるスタッフ200人以上が死亡していると指摘し、イスラエルを擁護してきたアメリカの代表も「イスラエルが人道支援スタッフや市民を十分に保護してこなかったことを深く懸念している」と述べました。

またアルジェリアのベンジャマ国連大使は「イスラエルはNGOの7人には謝罪したが、殺害された多くのパレスチナ市民に謝罪しないのはなぜだ」と厳しく非難しました。

さらに各国からは、イスラエルが先月、安保理で採択されたイスラム教の断食月の期間中の停戦を求める決議に反して攻撃を続けているとして強い不満が表明され、ガイアナのロドリゲスバーケット国連大使は「遺憾にも決議は完全に無視され、人道状況は悪化している」と訴えました。

これに対してイスラエルのエルダン国連大使は、NGOのスタッフが死亡した攻撃については遺憾の意を表明したものの、「ハマスがガザを支配し続ける限り紛争は解決しない」と述べて、戦闘を続ける姿勢を改めて示しました。