ウクライナ高官 AI無人機の本格導入を急ぐ考え示す

ロシアとウクライナの双方が無人機を使った攻撃を激化させるなか、ウクライナ政府の高官はNHKの取材に対し、ことし1年間に、国内で200万機以上の無人機を製造できるという見通しを明らかにするとともに、AI=人工知能を利用した無人機の本格的な導入を急ぐ考えを示しました。

ウクライナで無人機の製造や開発の政策を担う戦略産業省のフボズジャル次官は5日、首都キーウでNHKのインタビューに応じました。

フボズジャル次官は国内でおよそ200の企業が無人機の製造に取り組んでいるとした上で「ことしは、さまざまな種類の、200万機以上の無人機を製造する準備ができている」と述べ、無人機の製造能力が大幅に拡大していると明らかにしました。

また、ロシア軍による電波などを使った妨害をかいくぐるために、AIを利用した無人機の開発を進めているとして、「AIは無人機の飛行経路や標的を選ぶ上で役立つ。敵による妨害があっても正しく標的を攻撃する可能性を高めてくれる」と述べました。

さらにスウォームと呼ばれる複数の無人機が「群れ」で行動する技術の開発も進め、ことし中にもウクライナの企業が協力して行うプロジェクトを発表するとしています。

フボズジャル次官は、AIを利用した無人機をすでに前線で試しているとしたうえで「開発のスピードが、より早い勝利をもたらす。それだけを考えている」と述べ、本格的な導入を急ぐ考えを示しました。