イラン軍事精鋭部隊 司令官ら葬儀 イスラエルへ報復を求める声

今月初め、イスラエルによるとみられるイラン大使館への攻撃で殺害された軍事精鋭部隊の司令官らの葬儀が首都テヘランで行われ、参列者からはイスラエルへの報復を求める声があがりました。イラン政府の対応によっては、中東情勢がさらに緊迫することが懸念されています。

今月1日、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館へのイスラエルによるとみられる攻撃で、イランの軍事精鋭部隊、革命防衛隊の司令官ら7人とシリアの市民6人が死亡しました。

司令官らの葬儀は5日、イランの首都テヘランで行われ、この日がイスラム教の断食月「ラマダン」の最後の金曜日で、イランがパレスチナへの連帯を示す日と定めていることもあって、広場や通りには大勢の人たちが詰めかけました。

集まった人々は、死亡した司令官らの写真や「イスラエルに犯罪を後悔させる」と書かれた横断幕を掲げ、ひつぎを載せた車を囲んでイスラエルやアメリカに対して怒りの声を上げていました。

参列者からは「とても悲しい思いだ。われわれは断固とした対応をとるだろう」とか、「ミサイルにはミサイルで応じるべきだ」などと、イスラエルへの報復を求める声が多く聞かれました。

演説した革命防衛隊のトップ、サラミ総司令官は「われわれの体制に対する敵のいかなる攻撃も、報いを受けずには済まされない」と述べ、イスラエルへの報復を誓いました。

ガザ地区での戦闘に加え、今回の事態を受けたイラン側の対応によっては、中東情勢がさらに緊迫することが懸念されています。