日銀保有の国債 589兆円余 年度末としては過去最大

日銀が保有する国債の残高は、3月末の時点で589兆円余りと、年度末としては過去最大となったことがわかりました。日銀は、3月に大規模な金融緩和策を転換しましたが、大量に保有する国債などの取り扱いが焦点です。

日銀は、大規模な金融緩和策の一環で国債を買い入れてきましたが、保有する国債の残高は、3月末の時点で、政府が短期の資金繰りのために発行する国庫短期証券を含め、589兆6634億円となりました。

これは、前の年度末と比べて7兆9000億円余り、率にして1.3%増加していて、年度末としては過去最大です。

また、同様に日銀が買い入れを続けてきたETF=上場投資信託の保有額は、3月末の時点で37兆1861億円と、前の年度末と比べて1400億円余り増加し、年度末として過去最大となっています。

日銀は、3月の金融政策決定会合で大規模な金融緩和策を転換し、
▽国債は、これまでと同じ程度の買い入れを続けますが
▽ETFは、新規の購入を取りやめることを決めました。

今後は、大量に保有する国債などの資産の取り扱いが焦点ですが、日銀の植田総裁は、5日に出席した衆議院の財務金融委員会の中で「将来的には、大規模緩和からの出口を進めていく形で国債の買い入れ額を減らし、保有残高が縮小するところに移行したい。また、ETFの処分をすぐに行うことは考えていない」と述べました。

林官房長官「適切な金融政策の運営に期待」

林官房長官は午後の記者会見で「国債の買い入れは金融政策の一環として日銀みずからの判断で行っているものだ。日銀の財務のあり方は業務運営における自主性の観点から、まずは日銀で検討されるべきもので、政府としては日銀が今後も財務の健全性に留意しつつ、適切な金融政策の運営に努めることを期待する」と述べました。