川勝知事辞職の意向表明 “リニア JRと県の対話促す” 国交相

「リニア中央新幹線」の静岡県内の着工を認めていない川勝知事が辞職の意向を表明したことについて、斉藤国土交通大臣は具体的な言及を避けたうえで、事業主体のJR東海と静岡県などとの対話を促し、早期開業に向けた環境整備を進めていく考えを改めて示しました。

職業差別とも捉えられかねない発言をした静岡県の川勝知事は今月2日、辞職の意向を表明しました。

川勝知事はJR東海が開業を目指す「リニア中央新幹線」について、水資源や生態系への悪影響が懸念されるとして着工を認めておらず、3日の記者会見では辞職する理由の1つにリニア中央新幹線の開業延期という区切りがついたことを挙げました。

これについて、斉藤国土交通大臣は5日の閣議の後の記者会見で「川勝知事の進退をめぐる発言や記者会見での一つ一つの発言に政府の立場でコメントすることは差し控えたい」と述べ、具体的な言及を避けました。

その上で「国の有識者会議を通じて事業主体であるJR東海と静岡県をはじめとする関係自治体との一層の対話を促す」などと述べ、早期開業に向けた環境整備を進めていく考えを改めて示しました。

坂本農相「農業者にとって残念 政治家として憤り」

静岡県の川勝知事が職業差別とも捉えられる発言をして辞職の意向を表明したことに対し、坂本農林水産大臣は、5日の閣議のあとの会見で「国民の食だけではなく、地域の経済やコミュニティーを支える農業者にとって残念なものであり、農村地域に生まれ育ち、これまで農業の現場における創意工夫を見てきた1人の政治家として憤りを感じます」と述べました。