岸田首相 米議会演説で国際秩序維持に向け責任担う姿勢 強調へ

岸田総理大臣が、来週アメリカ議会で行う演説の概要が明らかになりました。ロシアや中国などによる権威主義的な動きによって、自由や民主主義に基づく国際秩序が脅かされているとしてアメリカだけでなく日本も秩序の維持に向けた責任を担っていく姿勢を強調することにしています。

岸田総理大臣は、来週、国賓待遇でアメリカを訪問し、日本の総理大臣としては、9年ぶりに議会上下両院の合同会議で演説に臨む予定で、その概要が明らかになりました。

演説では、アメリカが、経済力や外交・軍事力などを通じて形成してきた、自由や民主主義に基づく戦後の国際秩序は、世界の安定と繁栄を後押ししてきた一方、ロシアのウクライナ侵攻や、中国の軍事行動といった権威主義的な動きによって、脅かされていると指摘する方針です。

そのうえで、アメリカは今、自己不信と疲労に直面しているとして、権威主義から秩序を守る責任はアメリカが単独で負うものではなく、日本もアメリカの強力な同盟国でもある「グローバル・パートナー」として、ともに責任を担っていく姿勢を強調することにしています。

一方で、ことし秋の大統領選挙を控えて、アメリカ国内の政治的分断が深まっていることも念頭に、日本がパートナーとして対応するためには、超党派の協力が必要だと呼びかける考えです。