米大統領 NGOスタッフ死亡でイスラエルに「攻撃容認できない」

アメリカのバイデン大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談し、ガザ地区でイスラエル軍による攻撃でNGOのスタッフ7人が死亡した事態を受け「人道支援にあたる人々への攻撃は容認できない」と述べ、ガザ地区に関するアメリカの今後の政策は、イスラエルの対応次第で決定していくと伝えて対応を迫りました。

ガザ地区では4日もイスラエル軍による激しい攻撃が続き、現地の保健当局は、これまでに3万3037人が死亡したと発表しました。

イスラエル軍による1日の攻撃でスタッフ7人が死亡した国際的なNGO、「ワールド・セントラル・キッチン」は4日、「独立した調査こそが人道支援関係者に対する今後の攻撃を防ぐ唯一の方法だ」とする声明を発表しました。

こうした中、アメリカ・ホワイトハウスは4日、バイデン大統領がイスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談したと発表しました。

この中でバイデン大統領は「人道支援にあたる人々への攻撃と全体的な人道状況は容認できない」と述べ、ガザ地区に関するアメリカの今後の政策は、イスラエルの対応次第で決定していくと伝え、具体的な対応を迫りました。

一方、イスラエル軍は4日までに、状況の判断に基づき、すべての戦闘部隊の休暇を一時的に停止することや、防空にあたる部隊に予備役を投入することを決定したなどと発表しました。

イスラエルの複数のメディアは1日にシリアの首都ダマスカスで起きたイラン大使館への攻撃に対する報復に備えるものだなどと伝えています。

イランのライシ大統領は3日、国営テレビを通じて「イスラエルは抵抗戦線によって罰せられ、犯罪を後悔するだろう」と述べ、イランが後ろ盾となっている「抵抗の枢軸」と呼ばれる中東各国の武装組織による報復を示唆していて、緊張が高まっています。

米国務長官「対応変化なければ政策変更もある」

アメリカのブリンケン国務長官は、訪問先のベルギーでの記者会見で「イスラエルはハマスではない。イスラエルは民主主義国家で、ハマスはテロリストだ。そして、民主主義国家は人命に最も価値を置く。人命に対する敬意を失えば、われわれと対立する者と区別がつかなくなるおそれがある」と述べ、イスラエルに対し、民間人の保護を強く求めました。

そして「われわれが求める対応の変化が見られなければ、政策の変更もある」と述べ、イスラエルを支持するアメリカの政策を一部見直す可能性も示唆し、イスラエルに対応を迫りました。