【動画】台湾東部の地震 花蓮市で傾いたビルの解体工事始まる

台湾の東部沖で3日に起きた地震ではこれまでに10人の死亡が確認され、当局は、いまだに18人と連絡が取れなくなっているとして捜索活動を続けています。また、多くの建物が損壊する中、震源に近い花蓮市では、中心部にある大きく傾いたビルは、倒壊するおそれがあるとして解体工事が進められています。

台湾東部の花蓮県沖で3日に起きたマグニチュード7.2の地震で台湾当局は、これまでに10人が死亡し、1106人がけがをしたとしています。

また、外国人4人を含む18人と連絡が取れなくなっているということで、消防などが捜索を行っているということです。

また、今回の地震では、建物の損壊も台湾全体で806件にのぼっています。

このうち、震源に近い花蓮市中心部にある「天王星ビル」と呼ばれる9階建ての建物は、地震のあと大きく傾き、一時、人が閉じ込められ、1人が死亡しました。

このビルは完全に倒壊するおそれがあり危険だとして、5日解体工事が進められています。

現地では、解体工事に先立って、地元当局や工事の関係者およそ20人が集まり工事の安全を祈願する式典が行われたあと、重機などを使って建物を取り壊す作業が行われています。

現地の建物を調査した専門家によりますと、花蓮市内だけで、すぐに解体や補強などの対応が必要とみられる建物は、およそ30あるということで、行政や住民などは早急な対応を迫られています。

太魯閣渓谷 捜索や救助活動を続く

今回の地震で多くの人が足止めされている花蓮県の太魯閣渓谷の入り口近くでは、消防や軍が拠点を設け、連絡が取れなくなっている人たちの捜索や救助活動を続けています。

5日も日本時間の午前9時半ごろ救助隊の一部が緊急車両に乗り込み、捜索活動に出発していきました。

また、拠点には、息子の家族5人の行方がわからなくなっているという林※センケイ(※センは草冠に千、ケイは草冠に恵)さんが安否を確認しようと訪れていました。

林さんの息子は、妻と、5歳と小学生の合わせて3人の子供と一緒に台北から休暇で太魯閣渓谷を訪れていて、地震が起きた時は家族で渓谷を散歩していたということです。

林さんは「本当につらいです。ただ祈るばかりです。全員が無事に帰ってくることを願っています」と涙ながらに話していました。

週末にかけて雨予報 捜索活動への影響懸念

台湾の東部沖で起きた地震で、花蓮県では連絡が取れなくなっている人の捜索活動が続けられていますが、現地ではこの週末にかけて、雨の予報が出ていて、活動への影響が懸念されています。

今回の地震では、花蓮県では日本時間の5日午後4時の時点で13人と連絡がとれなくなっていて消防などが捜索活動を続けています。

現地では5日は時折雨が降っていて、台湾の中央気象署の予報では、この週末にかけても雨の予報となっています。

ロイター通信はレスキュー隊員が雨具を準備する様子や、レインブーツを履いて捜索活動に向かう様子を伝えています。

また捜索チームのリーダーは「雨が降れば、落石や地滑りのリスクが高まる。これらを予測できないことが、最大の課題だ。現時点では捜索や救助にどれだけの日数がかかるのかわからない」と話していました。