政治資金問題 自民 39人処分決定も不満や岸田首相の責任問う声

派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で自民党は関係議員ら39人の処分を決定し離党勧告を受けた安倍派の世耕・前参議院幹事長が離党しました。党内からは処分への不満や岸田総理大臣の責任を問う声が出ていて今後の党運営に影響が出ることも予想されます。

今回の問題で自民党はきのう党紀委員会を開き、安倍派と二階派の議員ら39人の処分を決定しました。

このうち安倍派でキックバックの扱いを協議した4人は、▽塩谷・元文部科学大臣と▽世耕・前参議院幹事長が今回、最も重い離党勧告、▽下村・元政務調査会長と▽西村・前経済産業大臣が次に重い1年間の党員資格停止となりました。

これを受けて世耕氏は昨夜、自民党を離党しました。

岸田総理大臣は「多くの疑念を招き、深刻な政治不信を引き起こしたことは心からおわびを申し上げる」と陳謝しました。

一方で、自身が処分の対象にならなかったことについて「党総裁としての責任は重く受け止めなければならない。政治改革の取り組みなどを見てもらった上で最終的には国民や党員に判断してもらう立場だ」と述べました。

自民党執行部は処分を1つの区切りとして、政治資金規正法の改正に向けた検討を急ぐなど、今後は、再発防止に向けた議論を進めたい考えです。

ただ、党内からは「重い処分は一部に限られ、国民の理解が得られるか疑問だ」という懸念に加え、処分の基準や決め方にも不満が相次いでいます。

さらに離党勧告を受けた塩谷氏が「各派閥で同じように処分を受けることが公平な考え方だ」と述べるなど岸田総理大臣の責任を問う声も根強く、今後の党運営に影響が出ることも予想されます。

これに対し、立憲民主党の泉代表は「岸田総理大臣は他人をさばくばかりでみずからに一番甘い。非常に恣意的(しいてき)で国民不在の処分だ」と批判しました。

野党側は、処分によって問題の幕引きを図ることは認められないとして、実態解明に向けて、引き続き安倍派幹部らの証人喚問などを強く求めていく方針です。