ロート製薬と三井物産 シンガポール漢方薬メーカーの買収発表

大阪に本社がある「ロート製薬」は、大手商社とともに東南アジア最大手のシンガポールの漢方薬メーカーをおよそ880億円で買収すると発表しました。健康分野の事業の強化を図るねらいです。

発表によりますと、ロート製薬は、大手商社の三井物産とともに、シンガポールに設立した会社を通じ現地の漢方薬メーカー「ユーヤンサン」の株式の86%を、創業家が関わる企業からことし6月末に取得するなどして、買収します。

買収額は日本円でおよそ880億円になるとしていて、最終的にはロート製薬がおよそ60%、三井物産がおよそ30%の株式を保有する形です。

ユーヤンサンは1879年に創業した漢方薬や食品などを手がけるメーカーで、シンガポールのほか、マレーシアや香港などに合わせて170店舗余りを展開するなど、漢方薬の分野では東南アジア最大手として知られています。

ロート製薬としては、買収した企業のアジアでのブランド力と自社の研究開発の強みを組み合わせることで、病気の予防をはじめ健康分野での事業の強化を図るねらいがあります。

山田邦雄会長は記者会見で、「アジアでも今後、高齢化が進む中で、今まで以上に予防が大事になる。われわれの西洋医学のサイエンスと、長らく人々に愛されてきた東洋医学の思想や製品を、今こそ合体させる時代になってきていると思う」と述べました。