小林製薬 紅麹問題 社外取締役への報告 症例把握から2か月後

「小林製薬」の「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、小林製薬が社外取締役に問題を報告したのは最初の症例の把握から2か月余りたった、記者会見の当日だったことが会社への取材で分かりました。会社は「社外取締役に報告する内容ではなかったと考えている」と説明しています。

小林製薬の「紅麹」の成分を含む「紅麹コレステヘルプ」などの健康食品をめぐっては、摂取した人が腎臓の病気などを発症し、5人が死亡、延べ177人が入院したことが分かっていて、会社は「原因となった可能性がある」として調査しています。

小林製薬は、ことし1月15日に医師から最初の症例の報告を受け、その後、問題を公表し自主回収を開始するまでに2か月余りかかったことがわかっていますが、問題を社外取締役に報告したのも、記者会見で公表した当日の3月22日だったことが会社への取材で分かりました。

小林製薬の取締役会は7人で構成され、このうち4人が外部の視点から意見を述べる社外取締役ですが、会社は社長を含むほかの取締役や執行役員など社内の幹部で対応を協議していたということです。

これについて、小林製薬は「社外取締役に報告する内容ではなかったと考えている」と説明しています。

大阪市長 “ガバナンスが機能しているのかチェックされるべき”

小林製薬が、社外取締役に問題を報告したのが最初に症例を把握してから2か月余りあとだったことについて、小林製薬の本社がある大阪市の横山市長は、事実関係についてまだ報告を受けていないとしたうえで、「今は原因究明と被害拡大防止に注力しているが、正しくガバナンスが機能しているのかは、チェックされるべき項目だと思う」と述べました。

そのうえで「どういった形で情報を社内で共有し、公的機関に報告するまでのスパンができたのかチェックしていかないといけない」と述べ、市としても確認を進めるとともに、必要があれば、本社への立ち入り検査を行う可能性もあるという認識を示しました。