自民 党紀委員会 “あさって処分の審査” 議員ら39人に通知

派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、自民党の党紀委員会は、処分の対象となる安倍派や二階派の議員ら39人に対し、4日委員会を開いて処分の審査を行うとして、弁明を希望する場合は文書で提出するよう求めました。

今回の問題で自民党執行部は、安倍派でキックバックの扱いを協議した幹部4人と、5年間で収支報告書の不記載などが500万円以上あった安倍派と二階派の議員ら合わせて39人を処分する方針で、1日、茂木幹事長が処分の審査を党紀委員会に要請しました。

これを受けて党紀委員会は2日午前、39人に対し弁明の機会があることを通知しました。

通知では、収支報告書の不記載などについて政治的道義的な責任が問われているとして、4日党紀委員会を開き審査を行うとしています。

そのうえで、弁明を希望する場合は、当日の午前10時までにその内容をA4の用紙で1枚程度にまとめて提出するよう求めています。

党紀委員会は弁明書が提出されれば、その内容も踏まえて具体的な処分の内容を決定することにしています。

自民 梶山幹事長代行「党紀委員会の判断に委ねたい」

自民党の梶山幹事長代行は記者会見で「党則上、処分も含めた党の規律保持は、党紀委員会でなされるとされている。岸田総裁とも相談の上、党紀委員会の判断に委ねたい」と述べました。

一方、岸田総理大臣の党総裁としての政治責任のあり方を問われたのに対し「みずから律するという話であれば自身で考えることだと思う」と述べました。

自民 浜田国対委員長「幕引きという思惑なし」

自民党の浜田国会対策委員長は記者団に対し「処分は一つのけじめであり、幕引きという思惑はない。野党から『どうけじめをつけるのか』と言われるが、それは当然、処分を行うということだ」と述べました。

公明 山口代表「国民の評価も見る必要がある」

公明党の山口代表は記者会見で「自民党が関係者の責任の所在や軽重を総合的に判断して処分を決めるということなので、その理由や内容を見届けないと評価しにくい。国民からどう評価されるかもよく見ていく必要があり、処分を見守りたい」と述べました。

立民 岡田幹事長「岸田首相には派閥トップとしての責任ある」

立憲民主党の岡田幹事長は、記者会見で「厳しい処分が下されるのは当然だが、事実が明らかではない中で、見せしめ的に処分するのはいかがなものか。事実に基づき、ふさわしい処分がそれぞれあるはずで、なぜ500万円以上の不記載が処分対象となるのかや、岸田総理大臣と二階元幹事長が対象から外れているのか説明を求めたい。岸田派は会計責任者が立件されていて、岸田総理大臣には派閥のトップとしての責任が当然ある」と述べました。

立民 安住国対委員長「国民の理解を得られない」

立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「到底、国民の理解を得られないのではないか。500万円なんて基準はあってないようなものだ。一律にお金で線を引いて、以下の人は処分しませんというのは、ふに落ちず、国民から見てもおかしな話だと思うので、岸田総理大臣から説明を求めたい」と述べました。

維新 馬場代表「岸田首相の処分 厳しく指摘していく」

日本維新の会の馬場代表は党の代議士会で「岸田派は3年間にわたり、派閥のパーティー収入などおよそ3000万円を収支報告書に記載していなかった。裏金づくりの典型的なパターンではないかと思うが、岸田総理大臣は処分を受けないということだ。責任者が全くおとがめなしになるので、厳しく指摘していく」と述べました。

共産 穀田国対委員長「真相解明の幕引きにしてはならない」

共産党の穀田国会対策委員長は、記者会見で「どのような事実があったのかを明らかにせず、なぜ処分するのか。処分の経過を見ても、関係議員は、裏金づくりの罪深さを全く自覚していない。国民は納得しないし、真相解明の幕引きにしてはならない」と述べました。

国民 玉木代表「全容解明と真相究明 徹底的に足りず」

国民民主党の玉木代表は、記者会見で「金額で線を引いたのであれば、なぜ額の多い二階元幹事長が外れているのか分からない。また、岸田総理大臣みずからの責任はどうなるのか。全容解明と真相究明が徹底的に足りず、処分と法改正を中途半端にやって、『やった感』を出そうとしているにすぎない」と述べました。