新潟市で液状化被害の郵便局が営業再開 能登半島地震3か月

能登半島地震から3か月。新潟県内では、液状化で建物が傾くなどの被害を受けた新潟市の2つの郵便局が4月1日、営業を再開しました。
また新潟県佐渡市では、地震発生からおよそ15分後に防波堤を乗り越える津波の様子が撮影されていました。

新潟市 2つの郵便局が営業再開

能登半島地震による液状化で建物が傾くなどの被害を受けた新潟市の2つの郵便局が4月1日、およそ3か月ぶりに営業を再開しました。

営業を再開したのは、いずれも新潟市西区にある坂井輪郵便局と中野小屋郵便局です。

2つの郵便局は、能登半島地震による液状化で建物が傾いたり駐車場が陥没したりするなどの被害を受けて地震発生の数日後から営業を休止していましたが、復旧作業が終わったことから、およそ3か月ぶりに再開しました。

このうち、坂井輪郵便局では午前9時に窓口が開かれると、客が次々と訪れ、局員から営業再開の記念品としてタオルが手渡されたあと、笑顔で話す様子が見られました。

近くに住む70代の女性は「再開を待っていました。とても助かります」と話していました。

坂井輪郵便局の村山尚士局長は「地域のみなさんから応援の声をいただいてきょうまでたどりつくことができました。これからも地域の欠かせないライフラインとしてこの郵便局を守っていきたいです」と話していました。

日本郵便信越支社によりますと、新潟県内では新潟市西区の新潟大野郵便局と妙高市の泉郵便局の2つが地震の被害で営業を休止したままで、いずれも被害が大きく再開の見込みが立っていないということです。

佐渡市 防波堤乗り越える津波映像 撮影

新潟県佐渡市では、地震発生からおよそ15分後に防波堤を乗り越える津波の様子が撮影されていました。
専門家は「能登半島に比較的近い佐渡の津波の映像は、記録が少ない今回の津波の実態を知るうえで重要な手がかりだ」と指摘しています。

映像は佐渡市の羽茂漁港からおよそ2キロ離れた高台で、地震の発生からおよそ15分後の午後4時26分ごろ、スマートフォンで撮影されました。

映像では漁港の中で渦巻いている様子のほか津波が続いて押し寄せている状況も確認できます。

また、津波が防波堤を乗り越える様子も撮影されています。

津波のメカニズムに詳しい東北大学の今村文彦教授は、シミュレーションの結果で佐渡に第1波が到達したのは地震から15分から20分だとされていることから、この映像は第1波とその直後を捉えている可能性があるとしています。

また、防波堤を乗り越えたのは、港の中で増幅したためではないかと分析しています。

今村教授は「能登半島の周辺での検潮記録が残念ながらあまり取れていない。海上保安庁などは海底地すべりの調査もしていて津波が複雑なものだった可能性がある。地震を引き起こした断層に近い佐渡の映像は今回の津波のメカニズムを知る重要な手がかりになる」と話しています。

気象庁が建物などに残された津波の痕跡の高さ(=痕跡高)を調べたところ、佐渡市の羽茂港では3.8メートル、小木港では1.9メートルに達していました。