ウクライナ 発電所などにロシアの攻撃相次ぐ 深刻な電力不足も

ウクライナでは、エネルギー施設を標的にしたロシア軍の攻撃が相次ぎ、31日には南部オデーサ市や、その周辺地域で一時、停電になるなど深刻な電力不足に陥りかねない事態となっています。

ウクライナ空軍は31日、ロシア軍のミサイル16発と無人機11機による攻撃を受け、このうち18の標的を撃墜したと発表しました。

西部リビウ州の当局によりますと、ロシア軍の巡航ミサイルでインフラ施設が被害を受け、1人が死亡したほか、国営の電力会社によりますと、南部の高圧変電所が被害を受けて、オデーサ市とその周辺地域で、一時、停電になったということです。

ロシア軍は、このところウクライナの発電所などのエネルギー施設を標的にした攻撃を繰り返していて、このうちウクライナ最大の民間エネルギー企業は、28日に所有する最大級の石炭火力発電所2か所が深刻な被害を受けて、発電能力の半分が失われ、復旧には1年以上かかる可能性もあると明らかにしました。

ウクライナが深刻な電力不足に陥りかねない中、ゼレンスキー大統領は、30日に公開した動画で「ロシアのテロリストたちは、ウクライナのエネルギーを失わせるために凶悪な攻撃を行っている」と非難し、防空能力の強化に向け、改めて欧米諸国に支援を求めました。