石川 能登町「あばれ祭」存続に 東日本大震災教訓生かす講演会

能登半島地震で被災し、石川県能登町の伝統、「あばれ祭」の開催が危ぶまれる中、東日本大震災の教訓を生かそうと、岩手県の伝統芸能の存続に取り組んだ団体の代表を招いた講演会が開かれました。

「あばれ祭」は能登町の宇出津地区で毎年7月に「キリコ」と呼ばれる灯籠がまちを練り歩き、能登地方の各地で行われる「キリコ祭り」の始まりを告げるとされていますが、地震によって「キリコ」を作る製材所が被害を受けるなどしたため、開催が危ぶまれています。

31日は町の地域交流センターに祭りの関係者などが集まり、東日本大震災の被害から伝統芸能「虎舞」の立て直しに取り組んだ岩手県大槌町の団体の菊池忠彦会長を招いて講演会が開かれました。

この中では、震災のおよそ1か月後に避難所で「虎舞」を披露したことが存続の機運醸成につながったことや、ふるさとを離れても祭りがある時期に戻ってくる人もいて、コミュニティーを守るためにも続ける意義があることなどが説明されました。

そのうえで、菊池さんは「被災で祭りを開催する環境を整えるのは難しいですが、思いがあれば成し遂げられます」と激励のことばをおくりました。

参加した40代の男性は「小さな時から関わってきた祭りで、なくなるのはさみしいので、みんなで協力して存続させていきたい」と話していました。