被災した輪島塗職人を支援 全国から寄付された道具の譲渡会

能登半島地震で被災した輪島塗の職人たちを支援するため、全国からさまざまな道具が寄付され、輪島市内で譲渡会が開かれました。

譲渡会は、輪島市河井町の「重蔵神社」の境内で開かれ、漆を混ぜたり、器に塗ったりする際に使う「へら」や「はけ」など、1000点以上の道具が並びました。

企画をしたのは、福井県の工芸品「越前漆器」の椀木地師、酒井義夫さんで、SNSを通じて全国の漆芸作家たちに道具の提供を呼びかけたということです。

能登半島地震では、多くの輪島塗の職人の自宅や工房が被災し、事業再開のめどが立たなかったり、職人道具を失ってしまったりした人たちがいます。

訪れた職人たちは、道具を実際に手に取りながら使用感などを確かめていました。

避難所での生活を続けながら、事業再開を目指している輪島塗職人の山岸昭一郎さんは、「自分の道具は全部燃えてしまいましたが、これからも輪島塗を続けていきたいです。応援してもらえてうれしいですし、また道具を見に来たい」と話していました。

企画した酒井義夫さんは、「3か月近くでこれだけの道具が集まり、多少は力になれたと思うので、これからも支援を続けていきたいです」と話していました。