ドジャース 山本由伸 本拠地で好投も初勝利は持ち越しに

大リーグ、ドジャースの山本由伸投手は30日に本拠地で行われたカーディナルス戦に先発登板し、5回無失点と好投しましたが、初勝利は持ち越しとなりました。また、大谷翔平選手は2試合ぶりにヒットを打ちましたが、延長10回、逆転サヨナラのチャンスで1本が出ませんでした。

山本投手は30日に本拠地ロサンゼルスのドジャースタジアムで行われたカーディナルス戦に先発登板しました。

山本投手は前回登板した韓国で行われた試合で1回に5失点を喫しましたが、本拠地デビューとなったこの試合は1回、得意のカーブとスプリットを低めに投げ込み、3者連続三振と最高の立ち上がりを見せました。

このあと、4回終了後に雨のため、試合が40分程度中断する場面もあったものの、山本投手は5回68球を投げて無失点、ヒット2本、三振5つを奪い、フォアボール無しと安定感のあるピッチングをみせました。

山本投手がマウンドを降りたあと、5回ウラに味方打線が2点を先制し、山本投手に勝ち投手の権利がつきましたが、その後、7回に2対5と逆転されたため、大リーグ初勝利は持ち越しとなりました。

一方、この試合で2番・指名打者で先発出場した大谷選手は1回、ノーアウト一塁の第1打席で、ライト前に2試合ぶりとなる痛烈なヒットを打ちました。

打球速度183.3キロの鋭い当たりでチャンスを広げましたが、得点につながりませんでした。

2回の第2打席は空振りの三振、5回の第3打席はフォアボール、7回の第4打席はライトフライでした。

2点を追う9回は1アウトから1番・ベッツ選手の4試合連続ホームランで1点差に詰め寄り、大谷選手に5打席目がまわりましたが、空振りの三振でした。

このあと、ドジャースは5対5の同点に追いつき、延長に持ち込みました。

しかし、延長10回表に再び1点をリードされると、そのウラ、2アウト満塁のチャンスで大谷選手に6打席目が回りましたが、ショートフライに打ち取られ、ドジャースが5対6で敗れました。

大谷選手はこの試合、5打数1安打、フォアボールが1つでした。

グラブの位置 元に戻しコントロール安定

山本投手はキャンプ中、セットポジションでのグラブの位置を胸の位置から腹のあたりまで下げるフォームの修正を行いました。

しかし、その後のオープン戦ではセットポジションでのコントロールが安定しなくなり、2試合であわせて7回と3分の2イニングを投げてヒット14本、フォアボール4つで9失点、さらに韓国で行われた開幕第2戦でも1回5失点と打ち込まれていました。

ロバーツ監督は試合前、「少し自爆のような状態だった。元に戻すから、きっとよくなるだろう」と話していて、実際にこの試合からはグラブを元の位置に戻していました。

その結果、フォアボールなしとコントロールが安定したことから、山本投手も「フォームの微修正ができて、きょうはいい結果になったと思う」と安心した様子でした。

山本由伸「きょうまで長かった」

山本投手は試合後に報道陣の取材に応じ、本拠地デビュー戦について、「うれしく思う。歓声もすごく、とても気持ちよくピッチングできた」と満足げに話しました。

前回登板で1回5失点と打ち込まれていたことから、「きょうまで長かった」と振り返りつつ、「少しずついい感覚が出てきていて、どうしていくかというのも明確にあったので、変な焦りとか不安とかはなかった。しっかり落ち着いて立て直せたと思う。安心できるところもあったし、次はもっといいピッチングができるように、引き続き練習していきたい」と気持ちを新たにしていました。

また、この日、雨の予報だったことから、山本投手のロッカーにてるてる坊主が飾られていて、試合前に山本投手も気付いたということですが、誰が作ったのかについては「まだ見つけてないです」と笑顔で話していました。

大谷 山本を絶賛「雨の中すばらしい登板」

大谷選手は試合後、報道陣の取材に応じ、好投した先発の山本投手について、「雨の中、すばらしい登板だったと思う。一度雨で下がってから、もう一度マウンドに上がるときも冷静だった。日本とはマウンドもボールも、もちろん対戦相手も違い、私生活も、もちろん全然違う。そこの難しさもあると思うが、きょうはすばらしいピッチングだった」と絶賛しました。

そのうえで、「もっと早い段階で援護して、最後も勝って終わらせてあげたかった」と悔しさを口にしました。

また、5打数1安打2三振に終わった自身のバッティングについては、「ボールの見え方自体は悪くないが、タイミングと距離の問題だと思う」と分析し、2アウト満塁のチャンスでショートフライに終わった最後の打席については、「フォアボールでもシングルヒットでも、どういう形でもいいので、まず、同点にしてつなぐことが大事だった。最後のボールも自分のなかでは捉えたつもりだったが、ポップフライになっているので、やはりタイミングだと思う」と振り返りました。

山本登板に「スーパーマリオ」シリーズの曲 生演奏

山本投手にとって初めての本拠地での登板となったこの試合では、イニング間などに日本生まれの人気ゲーム「スーパーマリオ」シリーズの曲がオルガンで生演奏されました。

これはドジャースタジアムでオルガンの演奏を担当している男性が、山本投手のニックネーム「ヨッシー」がゲームに登場するキャラクターと同じ名前であることから思いついたということで、今後も山本投手が登板する試合で演奏したいと話しています。