ガザ地区に支援物資を届ける海上輸送船 キプロス出発

激しい戦闘の影響で深刻な食料不足に陥っているガザ地区に支援物資を届けるための海上輸送の船が30日、地中海の島国キプロスを出発しました。

イスラエル軍はガザ地区各地で軍事作戦を続けていて、ガザ地区の保健当局は30日、過去24時間で82人が死亡し、これまでの死者は3万2705人にのぼると発表しました。

戦闘の影響で食料不足も深刻な状況が続いています。

こうした中、ガザ地区に食料などの支援物資を届けようと、アメリカのNGOがキプロスやUAE=アラブ首長国連邦などの支援を受けて進めている海上輸送の船が30日、キプロスを出発しました。

このNGOなどが行うガザ地区への支援物資の海上輸送は3月中旬に続いて2回目で、今回の船では300トン以上の物資が運ばれ、コメやパスタなどの食料のほか、荷降ろしを迅速に行うための機械も届けるということです。

ガザ地区への支援をめぐってパレスチナ赤新月社は30日、10台のトラックで食料を北部ガザ市に届けたと明らかにし、「イスラエルによる包囲が飢きんのリスクを加速させ、民間人の命に大きな脅威をもたらしている」とイスラエルを非難しました。

また、OCHA=国連人道問題調整事務所も3月1日以降、ガザ地区北部への人道支援活動のうち、3割がイスラエル当局によって拒否されたとしたうえで、ガザ地区北部では飢きんがことし5月にかけて、いつでも起こりうるとして危機感を示しています。