モスクワ郊外 テロ現場でアメリカ大使ら各国の外交官が追悼

ロシアの首都モスクワ郊外で起きたテロ事件の現場を30日、ロシアに駐在する各国の外交官らが訪れ、花を手向けて犠牲者を悼みました。

ロシアの首都モスクワ郊外のコンサートホールで22日に起きたテロ事件では、これまでに144人が死亡、551人がけがをし、ロシアで発生したテロとしては過去20年で最悪の規模となりました。

事件の現場には30日、アメリカの大使などロシアに駐在する各国の外交官が訪れ、花を手向けて犠牲者を悼みました。

これまでに、実行犯として中央アジアのタジキスタン出身の4人が起訴され、過激派組織IS=イスラミックステートとつながりのある「アマーク通信」はISの戦闘員による犯行だと伝えています。

一方、プーチン政権は今回のテロ事件にウクライナが背後で関与した疑いがあるとの主張を続けていて、連邦捜査委員会は29日、実行犯らは約束された報酬をウクライナの首都キーウで受け取ろうと、調整役の指示でウクライナ国境の方向に車で向かったと主張しました。

こうした中、タジキスタンの労働次官はタス通信に対し、テロ事件の後、ロシア国内で暮らすタジキスタン出身者の間で不安が高まり、帰国する動きが出ていると明らかにしました。

日常生活で嫌がらせを受けたとの相談も寄せられているものの、こうした帰国の動きは一時的なものと見ているということです。