大谷翔平 ドジャース本拠地開幕戦 ヒット2本で上々のスタート

大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が28日、カーディナルス戦でヒット2本をマークし、移籍後初の本拠地デビュー戦で上々のスタートを切りました。

大谷翔平 3打数2安打 四球1 上々の本拠地デビュー

ドジャースタジアムで行われた今シーズン最初の本拠地での試合には5万人を超える観客が詰めかけ、試合前のセレモニーで大谷選手の名前がコールされると、ひときわ大きな歓声があがりました。

さらに、2番・指名打者で先発出場した大谷選手が1回、ノーアウト一塁の場面で打席に向かうと、地元ファンが一斉に立ち上がり大きな拍手で大谷選手を迎え入れました。

その最初の打席で大谷選手は低めの変化球をうまく引っ張り、ライト線に運んで長打としました。

二塁を回ったところで挟まれてタッチアウトになったものの、本拠地での初ヒットはツーベースでした。

ドジャースが3対0とリードした3回の第2打席はしっかりとボールを見極めてフォアボールを選ぶと、続く3番・フリーマン選手に今シーズン1号のツーランホームランが出て追加点につながりました。

5回の第3打席はライト前ヒット、7回の第4打席は空振りの三振でした。

この試合、大谷選手は3打数2安打、フォアボールが1つで、移籍後初の本拠地での試合で複数安打をマークしました。

大谷選手の活躍もあり、ドジャースは7対1で勝ちました。

大谷翔平「冷静に打席に入れている 大きな声援で気合いが」

大谷選手は試合直後、グラウンド上でインタビューに応じ「勝ててよかったし自分の打席にも落ち着いて入ることができたのでよかった。ボールもよく見えていると思うし、比較的、冷静に打席に入れているので、このまま、あしたの試合に臨めればいいかなと思う」と話しました。
また地元のドジャースファンについて聞かれると「敵のときは怖いですが味方では頼もしい。自分の打席でも大きな声援をもらって気合いが入りました」と笑顔で話していました。

大谷翔平“打席の内容に手応え”

大谷選手は試合後、クラブハウスで報道陣の取材に応じました。

シーズン初の本拠地での試合については「興奮していましたし、1打席目からヒットが出てスタートとしてはよかったと思う。多くのファンの方に入ってもらって、敵の時は怖いが味方だととても心強かった」と笑顔で振り返りました。

韓国で行われた開幕戦のあと、オープン戦3試合はノーヒットだったことについては「体調管理含めて少し難しいところがあった。正直、感覚的にはよくなかったし、ボールの見え方もよくなかった」と、調子が上がっていなかったことを明かしました。

その上で「ヒットが出たのもそうだが、振る振らないの判断含めて、比較的クオリティの高い打席だったと思う。それを継続するのが難しいので、あすに向けてまた対策したい」と打席の内容に手応えをつかんでいました。

また、1回のヒットの際にベッツ選手が三塁で止まっていることに気付かず、二塁を回ってアウトになったプレーについては「僕がムーキー(ベッツ選手)に合わせないといけなかった。キャンプ中にそのシチュエーションがなかったので、まず、きょう確認して、また次、修正したい」と話していました。

◇ベンチでは変化感じさせる場面も

通訳 ウィル・アイアトンさん(右)

「気持ちを切り替えるのは難しいが、今シーズンに向けて精いっぱい、これからさらに進んでいくと思う」

今月25日、大谷選手は元通訳の水原一平氏をめぐる違法賭博の問題を受けた会見の中で複雑な心境をこのように表現していました。

さらに、問題発覚後に行われたオープン戦3試合はいずれもノーヒットに終わり、本拠地での開幕戦を前に環境の変化や心理的な影響を懸念する声も聞かれましたが、この日の試合で大谷選手は3打数2安打と結果で周囲の不安を払拭(ふっしょく)しました。

バッティングでチームに貢献できることを改めて示した大谷選手でしたが、試合中のベンチではこれまでとの変化を感じさせる場面もありました。

それが1回、ライト線を破る痛烈な当たりを打った後、ベッツ選手が三塁で止まっていることに気付かず、二塁を回ってアウトになったあとのベンチでのことでした。

大谷選手はベッツ選手や三塁コーチとの細かい意思疎通は代理で通訳を務めているウィル・アイアトンさんを介して行いましたが、みずから直接、身ぶり手ぶりを交えてチームメートに状況を説明しました。

その後も、打席のあと積極的に後続の選手たちに直接、アドバイスを送るシーンもこれまで以上に多く見られました。

大谷選手は「僕が打席でどう見えているかの感覚をまだチームメートは知らないので、共有するのは大事だと思う」と話していて、今シーズンは新たなチームの中で、大谷選手自身がより積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿を多く見かけることになりそうです。

ロバーツ監督 上位打線に満足げ

ベッツ選手、大谷選手、そしてフリーマン選手といずれもMVP=最優秀選手の受賞経験のある3人の上位打線は3人で8打数5安打4打点、ホームランが2本と、本拠地初戦で前評判どおりの実力を示しました。

ドジャースのロバーツ監督は「どんな議論でも彼らが球界最高のバッターだという意見が出てくると思う。そんな3人が打順の先頭にいることは幸運なことだ」と満足げでした。

その上で「翔平が2番にいる今の打順を気に入っている。彼の前にランナーが出ていれば相手のピッチャーにストレスになるし、1試合に5回打席に立てる。彼も心地いいと思う」と話していました。

一方で、三塁でベッツ選手が止まっていることに気付かず、大谷選手が二塁を回ってアウトになったプレーについては、笑顔を見せながらも「彼はとても速く走ることができるが、前にもランナーがいることを理解しないといけない。フリーマン選手がうしろにいればランナーはホームでアウトにはなりたくないし、頭を上げて見ていないといけない」とくぎを刺しました。

◇愛犬デコピン 初観戦

妻・真美子さんも観戦

大谷選手の本拠地でのシーズン最初の試合を愛犬の「デコピン」が妻の真美子さんとともに初めて観戦しました。

大谷選手の自身のインスタグラムには「1st DODGERGAME」と書かれたバッジをつけたデコピンが壁に飾られている大谷選手のドジャースと日本代表、それにプロ野球、日本ハム時代のユニフォームとともに映っている写真や、席から試合を見ている写真、あくびをしている写真などあわせて5枚の写真が投稿されています。