「セキュリティークリアランス」法案 衆院内閣委で参考人質疑

経済安全保障上、重要な情報へのアクセスを国が信頼性を確認した人に限定する「セキュリティークリアランス」制度の創設に向けた法案をめぐり、28日、衆議院の内閣委員会で参考人質疑が行われました。

セキュリティークリアランス制度は、漏えいすると日本の安全保障に支障を来すおそれがあるものを「重要経済安保情報」に指定し、これらの情報へのアクセスを民間企業の従業員も含め、国が信頼性を確認した人に限定するものです。

制度の創設に向けた法案を審議する衆議院の内閣委員会では28日、5人の専門家に対する参考人質疑が行われました。

このうち
▽笹川平和財団の大澤淳 特別研究員は「今、われわれは安全保障で厳しく対立し、情報を守り、奪い合う厳しい時代に逆戻りしつつある。外交、情報、軍事、経済の4つすべてを動員する競争では民間企業も重要情報の取り扱いに慎重さが求められる。セキュリティークリアランス制度は時代の要請だ」と述べました。

一方
▽日弁連=日本弁護士連合会の齋藤裕 副会長は「経済安全保障上、重要な情報としてどのような秘密が指定されるか不明確で、市民の知る権利が制限されることになりかねない。また、情報を漏えいした場合などの処罰の範囲も明確にすべきだ」と指摘しました。

そのうえで、信頼性を確認する国の調査については、従業員が少ない中小企業の場合、信頼性が認められなかった人の仕事の受け皿が少なく、解雇につながる可能性があると懸念を示しました。