【28日】米世論調査 イスラエル軍事作戦“支持せず” 過半数に

イスラエルは多くの住民が身を寄せるガザ地区南部ラファへの地上作戦を強行する構えを崩さず、現地メディアは過去24時間で24人が空爆で死亡したと伝えています。こうした中、アメリカの世論調査でイスラエルの軍事作戦を「支持しない」と答えた人が55%と半数を超えました。

ネタニヤフ首相 米への派遣取りやめ “ハマスへのメッセージ”

イスラエルがガザ地区南部のラファへの地上作戦を協議するために予定していた代表団のワシントンへの派遣を取りやめたことについて、アメリカ・ホワイトハウスはイスラエル側が協議日程を再調整することで同意したと明らかにしています。

ネタニヤフ首相は27日、エルサレムを訪問したアメリカの上院議員に対して、代表団の派遣を取りやめたことについて「国際的な圧力にかけても無駄だというハマスへのメッセージだった」と釈明しました。

ネタニヤフ首相は、上院議員に対して停戦を求める国連安保理の決議案の採決でアメリカが拒否権を行使しなかったことに改めて苦言は呈しましたが、釈明することで最大の後ろ盾であるアメリカとの関係修復をはかる狙いもありそうです。

“過去24時間で女性や子どもなど24人死亡” 中東テレビ局

イスラエル軍はイスラム組織ハマスの部隊が残っているとして住民150万人が身を寄せるガザ地区南部ラファへの地上作戦を強行する構えを崩さず、連日のように激しい空爆を続けています。

中東の衛星テレビ局アルジャジーラは27日、過去24時間でラファへの空爆で女性や子どもなど24人が死亡したと伝えています。

ガザ地区の保健当局は27日、過去24時間で76人が死亡し、死者は3万2490人にのぼっていると発表しました。

こうした中、ガザ地区の地元当局は27日、地区の北部にいる住民に対して、支援物資を運ぶ車列が通る交差点に集まらないよう求める異例の声明を発表しました。

ガザ地区では食料の配給を待つ人が攻撃されるケースが相次ぎ、医療機関もひっ迫しているとして「けがをすれば確実に死の危険にさらされる」と警鐘を鳴らしています。

同盟関係のアメリカでもイスラエル軍事作戦への反発強まる

こうした中、アメリカの世論調査でイスラエルの軍事作戦を「支持しない」と答えた人が半数を超え、同盟関係にあるアメリカでも反発が強まっていることがうかがえます。

調査会社「ギャラップ」は3月1日から20日にかけて、アメリカ全土で18歳以上のおよそ1000人を対象に世論調査を行いました。

それによりますと、イスラエルがガザ地区で行っている軍事作戦について「支持しない」と答えた人が55%と半数を超え、「支持する」の36%を上回りました。

去年11月の時点では「支持する」が50%と、「支持しない」の45%を上回っていて、この4か月で逆転した形です。

イスラエルのネタニヤフ首相は、これまで「アメリカ国民はイスラエルを支持している」などと強気の発言を繰り返してきましたが、犠牲者が増え続けるなか軍事支援を受けるアメリカの世論の変化に直面する事態となっています。

調査会社は「イスラエルとハマスの戦争が長引くにつれ、支持が低下している。この問題を深く懸念するバイデン大統領の支持層からの得票が減り、大統領に打撃を与える可能性もある」と指摘し、アメリカのイスラエルへの対応が秋の大統領選挙にも影響を及ぼすおそれがあると分析しています。

米報道官 “イスラエル代表団ワシントン派遣 日程再調整で同意”

イスラエル軍によるラファへの地上作戦を巡り、アメリカのバイデン大統領は3月18日、ネタニヤフ首相に対し住民の犠牲に対する懸念を伝えるとともに、大規模な地上作戦に代わる計画を協議するため代表団をワシントンに派遣するよう要請していました。

しかしイスラエル側は25日、停戦を求める国連安保理の決議案の採決でアメリカが拒否権を行使しなかったことに反発し、今週予定していた代表団の派遣を取りやめると発表していました。

これについてホワイトハウスのジャンピエール報道官は27日、記者会見でイスラエル首相府が日程を再調整することで同意したと明らかにしました。

そのうえで「民間人の安全を確保した計画であることが重要だ。事態は差し迫っている」と述べできるだけ早く代表団との協議を実現させたいという考えを示しました。