工藤会トップに無期懲役 検察が最高裁に上告 判決不服として

北九州市の特定危険指定暴力団「工藤会」が市民を襲撃した4つの事件で、殺人などの罪に問われた組織のトップに1審の死刑判決を取り消して無期懲役を言い渡した2審の福岡高等裁判所の判決を不服として、検察は26日、最高裁判所に上告しました。

北九州市の特定危険指定暴力団「工藤会」の▽トップで総裁の野村悟被告(77)と▽ナンバー2で会長の田上不美夫被告(67)は、1998年から2014年にかけて、福岡県内で漁協の元組合長を射殺したほか、看護師や歯科医師など3人を拳銃や刃物で襲うなど4つの事件に関わったとして、殺人や組織的な殺人未遂などの罪に問われました。

1審の福岡地方裁判所は、4つの事件すべてで野村被告を首謀者と認めて死刑を言い渡しましたが、2審の福岡高等裁判所は今月12日の判決で、▽漁協の元組合長を殺害した罪については実行役などとの共謀は認められないとして無罪としたうえで、▽ほかの3つの事件については共謀を認め、野村被告に無期懲役を言い渡しました。

また、田上被告については控訴を退け、1審に続いて無期懲役を言い渡しました。

この判決を不服として福岡高等検察庁は26日、被告2人について、最高裁判所に上告しました。

福岡高等検察庁の小池隆次席検事は「判決内容を十分検討した結果、判例違反があると判断した」とコメントしています。

一方、野村被告と田上被告の弁護側は、判決を不服としてすでに上告しています。