石川 珠洲 公費での建物解体・撤去 申請の受け付け始まる

石川県珠洲市で、能登半島地震で被災した建物の公費での解体・撤去を希望する人たちからの申請の受け付けが、25日から始まりました。申請の集中を避けるため、受け付ける対象を段階的に広げることにしていて、5月1日からは、元日の地震で半壊以上の被害を受けたすべての人が申請できるということです。

能登半島地震で大きな被害を受けた建物のうち、「全壊」や「半壊」などと認定された建物は、所有者が「り災証明書」などを提出して申請すれば、自治体による公費での解体・撤去が行われることになっています。

珠洲市では、2次被害を引き起こすおそれのある建物については緊急的な公費での解体がすでに始まっていましたが、25日からは解体を希望する人たちからの申請の受け付けが始まりました。

市役所のそばの産業センターに設けられた窓口には、自宅が被災した人たちなどが次々と訪れ、職員の説明を受けながら書類に記入していました。

市は申請の集中を避けるため、受け付ける対象を段階的に広げることにしていて、25日から対象となったのは、元日の地震で半壊以上の被害を受けた人のうち、去年5月の震度6強の地震ですでに自宅などが被災し、解体の申請を出していた人たちです。

市は今後、緊急性の高さなどに応じて対象を広げ、5月1日からは能登半島地震で半壊以上の被害を受けたすべての人を対象に申請を受け付けることにしています。

去年5月の地震で半壊の認定を受けていた自宅が、元日の地震で全壊したという、80代の女性は、「住み慣れた場所に早く戻りたいので、まずきれいに撤去してもらい、住めるようにしてほしい」と話していました。

珠洲市長「一日も早く解体撤去を進めたい」

被災した建物の公費での解体・撤去の受け付けが始まったことについて、珠洲市の泉谷満寿裕市長は25日の会見で、「特に事業の再建を目指す人にとって、全半壊した事業所や工場を解体・撤去しないことには、再建に向けた新築もできない。遅れると、社員や従業員の雇用がままならなくなり、人口の流出も懸念される。人口の流出を防ぎ、なりわいの再建につなげる意味合いからも、一日も早く解体撤去を進めたい」と述べました。

また、現場の作業員たちが寝泊まりする場所の確保が課題になっているとして、対応を進める考えを示しました。