ガザ地区各地で軍事作戦を続けるイスラエル軍は25日、ハガリ報道官のビデオ声明を発表し、地区最大のシファ病院で今月18日から行っている作戦について、6日間で病院とその周辺で170人の戦闘員を殺害したとしたうえで、「ハマスが病院を乗っ取り、患者の影に隠れながら、戦争を仕掛けている」と述べ、攻撃を正当化しました。
【25日】イスラエル軍 ガザ地区シファ病院での攻撃を正当化
ガザ地区各地で軍事作戦を続けるイスラエル軍は「イスラム組織ハマスが病院を乗っ取っている」として、地区最大のシファ病院での攻撃を正当化しています。
一方、戦闘の休止と人質の解放に向けた交渉をめぐって、イスラエル側からは「合意に至る可能性は五分五分だ」とも伝えられていて、交渉の行方が注目されています。
※イスラエルやパレスチナに関する日本時間3月25日の動きを随時更新してお伝えします。
イスラエル軍 “ハマスが病院乗っ取り 戦争仕掛けている”
“交渉 合意に至る可能性は五分五分” イスラエルメディア
戦闘の休止と人質の解放に向けた交渉について、ロイター通信などは24日、イスラエル側がハマスに歩み寄る姿勢を示したと報じています。
具体的には、ハマス側が拘束している人質40人の解放と引き換えに、イスラエルが収監しているパレスチナ人を700人から800人釈放することで合意し、イスラエル側が釈放するパレスチナ人の人数を、パレスチナ側の要求に近づけるものだと伝えています。
ただ、イスラエルメディアは25日、政府高官の話として「合意に至る可能性は五分五分だ」と伝えています。
そのうえで「ガザ地区南部に潜伏しているとみられる指導者との連絡のため、ハマスからの回答には数日かかる見通しだ」とも伝えていて、交渉の行方が注目されています。
“イスラエル側が歩み寄る姿勢”報道 交渉前進するか
イスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘休止と人質解放に向けた交渉をめぐり、ロイター通信などは、イスラエルが歩み寄る姿勢を示したと報じました。
イスラエル側が、釈放する収監中のパレスチナ人の人数をパレスチナ側の要求に近づけるとするもので、交渉が前進するかどうか注目されています。
イスラエルとハマスとの交渉は中東のカタールで行われ、ハマスの幹部は24日、双方の立場になお隔たりがあるという認識を示しています。
この交渉についてロイター通信やイスラエルの地元メディアなどは、24日、イスラエル側がハマスに歩み寄る姿勢を示したと報じました。
具体的には、ハマス側が拘束している人質40人の解放と引き換えに、イスラエルが収監しているパレスチナ人を700人から800人釈放することで合意したとしています。
ハマスは700人から1000人の釈放を求めていて、その要求に近づけるものだと伝えていて、交渉が前進するかどうか注目されています。
「イスラエル当局がガザ北部へ食糧輸送認めずと通告」
ガザ地区では、深刻な食料不足によって多くの子どもが栄養失調に陥る中、現地の支援を担っているUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関のラザリーニ事務局長は24日、自身のSNSで「イスラエル当局がUNRWAのガザ地区北部への食糧輸送を今後一切認めないと通告してきた」と明らかにした上で「人為的な飢きんのさなかの意図的な支援への妨害だ」として強く反発しています。
UNRWAをめぐっては一部の職員が去年10月のハマスによるイスラエルへの攻撃に関与した疑いがあるとするイスラエル側からの情報提供を受け、アメリカや日本などが資金拠出を停止していて、検証グループが調査を進めています。
また、ネタニヤフ首相はことし1月、「国際社会と国連は、UNRWAの役割が終わったと認識するときがきた」と述べ、組織の解体を求めていました。
ハマス幹部 “双方の立場になお隔たりがある”
戦闘の休止と人質の解放に向けて中東カタールで行われている交渉について、イスラエルメディアは、当局者の話として、ハマスが解放する人質1人に対してイスラエルが釈放する収監中のパレスチナ人の人数の条件について柔軟に対応したと伝えています。
これに対してハマスの幹部は24日、アラブメディアに対して、「イスラエルは停戦や避難民の帰還を認めていない」として、双方の立場になお隔たりがあるという認識を示しており、交渉が進展するかが焦点です。
国連事務総長「イスラエルは障害取り除く必要ある」
国連のグテーレス事務総長は24日、訪問先のエジプトで、シシ大統領らと会談しました。その後の記者会見でグテーレス事務総長は「イスラエルは残された障害を取り除く必要がある」と述べ、イスラエル側により多くの物資をガザ地区に運び込めるよう対応を求めました。
ガザ南部 ナセル病院とアマル病院「危険にさらされている」
ガザ地区各地で軍事作戦を続けるイスラエル軍は24日、地区最大のシファ病院でおよそ480人の戦闘員を拘束したと発表しました。
これに対して、パレスチナ赤新月社は24日、SNSで南部ハンユニスにあるナセル病院とアマル病院について「激しい砲撃と銃撃の中、イスラエル軍の車両に包囲され、スタッフたちは身動きが取れず危険にさらされている」として窮状を訴えています。