“水原一平氏は説明翻した” 米メディア記者 やりとり明らかに

大谷翔平選手の専属通訳を務めた水原一平氏に、解雇される前後の2回にわたり電話で話をきいたアメリカの記者がNHKの取材に応じ、そのやりとりを明らかにしました。

取材に応じたのは、アメリカのスポーツ専門チャンネルESPNのティシャ・トンプソン記者です。

トンプソン記者は、これまでの取材で関係者の言い分が一致していることとして、少なくとも450万ドルが送金され、去年の一定の期間に50万ドルずつ送金されたことを挙げました。

そのうえで「私は、去年9月と10月の2回分の記録を見た。いずれも50万ドルで、少なくとも100万ドルの送金記録を見たことになる」と証言しました。

トンプソン記者は、19日に行った水原氏への1回目の電話取材について「水原氏は当初、これはギャンブルによる借金で大谷選手に助けを求めたと説明した。水原氏は、大谷選手が自分のコンピューターにログインしてはじめの送金を行い、ブックメーカーからの指示に従って目的として『ローン』と打ち込むのを横で見ていたと詳しく説明した」と述べました。

しかし、この電話取材を経て記事を出そうという段になって大谷選手の広報担当者から電話があり、話が変わったので記事を出すのを待ってほしいと言われたとしています。

取材の翌日に水原氏がドジャースから解雇されたあと、トンプソン記者は改めて水原氏に電話をしたということです。

この電話についてトンプソン記者は「はじめ水原氏は何も話そうとしなかった。私は大谷選手の弁護士が出したコメントを読み上げて、『何があったのか』ときいた。『きのうのインタビューで私にうそをついたのか』ときくと『はい』と答えた。そして水原氏は、大谷選手はギャンブルの借金について知らず、支払いも行っていないと話したが、誰が支払いをしたのかは言わなかった。この電話のあと、スマートフォンのテキストメッセージで『金は盗んだのか』ときいたが返事はなかった」と水原氏とのやりとりを明らかにしました。

そして「誰が送金を行ったのかが大きな疑問だと思う。それについて多くの人たちが今、真相に迫ろうとしている。少なくとも連邦政府機関の捜査が行われているうえに、大谷選手を含む選手たちにとってとても重要な大リーグ機構の調査も始まった。まだわからないが、これに加えてほかの警察機関が横領や詐欺、窃盗の疑いで捜査する潜在的な可能性がある」と指摘しました。