EU ナワリヌイ氏死亡でロシア刑務所トップなどに制裁

EU=ヨーロッパ連合は、ロシアの反体制派の指導者ナワリヌイ氏の死亡に関わりがあるとするロシアの刑務所のトップや裁判官など30余りの個人と団体に制裁を科すと発表しました。

ロシアのプーチン政権の批判を続けた反体制派の指導者、ナワリヌイ氏は2月、ロシアの北極圏にある刑務所で死亡しました。

EUは22日、ナワリヌイ氏の死亡に関わりがあるとする33人の個人と2つの団体に制裁を科すと発表しました。

対象としたのは、ナワリヌイ氏が死亡した刑務所とそのトップや、ナワリヌイ氏に去年、長期の禁錮刑を言い渡した裁判官などで、ナワリヌイ氏が暴力をふるわれたり非人間的に扱われたりして人権を侵害されたことへの責任があるとしています。

制裁の対象者にはEUへの渡航が禁止され域内の資産が凍結されます。

ナワリヌイ氏の死亡について、プーチン大統領の側近で対外情報庁のナルイシキン長官は地元メディアに「自然死だ」と述べましたが、EUの外相にあたるボレル上級代表は22日、声明で「ナワリヌイ氏はプーチン政権によってゆっくりと殺された。彼らがいかに人命を軽視しているかを明確に示すものだ」と述べ、プーチン政権に責任があるとの考えを改めて強調しました。