高校野球 センバツ 山梨学院が京都外大西に逆転勝ち

センバツ高校野球、大会3日目の第2試合は去年の優勝校、山梨学院が京都外大西高校に7対1で勝って2回戦に進みました。

山梨学院は1点を追う4回、1アウト二塁三塁の場面で6番の横山悠選手がスクイズを決め、同点に追いつきました。

6回には、再び1アウト二塁三塁の場面で横山選手のショートゴロの間に1点を奪って勝ち越すと、続くチャンスで7番の二村仁功選手がレフトへタイムリーヒットを打って1点を追加しました。

試合途中からは雨が降りだし、風も強まる中、山梨学院は7回、相手のエラーも絡んで一挙4点を奪って突き放しました。

投げては先発に抜てきされた背番号11の津島悠翔投手とエースの櫻田隆誠投手の継投で京都外大西打線を抑え、山梨学院が7対1で勝って、2回戦に進出しました。

京都外大西は、2回に1点を先制しましたが、その後は得点を奪うことができず、流れを引き寄せることができませんでした。

《山梨学院 監督・選手談話》

吉田監督「非常にうちらしい野球ができた」

史上4校目の大会連覇に向けて好スタートを切った山梨学院の吉田洸二監督は「攻撃、守備ともにあまりミスがなく、非常にうちらしい野球ができたと思います。身近な先輩たちが優勝まですると、いい影響が甲子園で出るということを体験させてもらって、非常に勉強になりました」と手応えを口にしました。
先発で6回を投げ、無四球で相手打線を1点に抑えた津島悠翔投手については「甲子園の雰囲気にのまれずによく投げてくれました。練習試合からボールが先行しないように投げていましたが、大舞台でもその成果を出してくれました。100点に近いピッチングでした」と好投をたたえていました。

津島悠翔 投手「とにかく楽しんで投げようと」

先発ピッチャーとして6回1失点と好投した山梨学院の2年生、津島悠翔投手は「少し緊張もありましたが、とにかく楽しんで投げようと思いました。変化球を中心にストライク先行でテンポよく投げたいと思っていたのでそれができてよかったです」と振り返りました。
そのうえで「ボールが高めに浮いてしまい連打される場面があったので、そこは大きく反省したいです。自分はボールが遅いぶん低めに集めて失点をなるべく少なくして勝ちにつなげていきたいです」と次の試合を見据えました。

《京都外大西 監督・選手談話》

上羽監督「相手が強かった」

京都外大西高校の上羽功晃監督は「相手が強かったです。守備やサインプレーの精度がよかったし、チームとして徹底されていました」と山梨学院のプレーをたたえました。
7回にはエラーも絡んで点差を広げられましたが「エラーはしかたない。その前にもっと攻撃できればよかったです」と話しました。
また、雨と風が強まる悪天候の中で最後まで投げきった田中遙音投手については「最後は粘りの投球をみせて成長したと思います。交代させる考えはなかったです」と、137球を投げたエースをねぎらっていました。

乾光葵 主将「悔しいより やりきった気持ち」

京都外大西高校のキャプテン、乾光葵選手は「試合前に先制点を取ろうと話していたのでいい流れになるかと思いましたが、実力で負けました。悔しいというよりやりきったという気持ちです」と話しました。
7回に7点目を奪われた際にはエースの田中遙音投手に「失うものはないから、ここまできたら楽しめ」と声をかけたということです。
キャッチャーの乾選手はこの試合出場機会がありませんでしたが「キャッチャーで出場した下曽山仁選手は下級生ですがライバルですし、キャプテンとしても選手としても頑張りたいです」と夏の甲子園でキャッチャーとして出場することを誓っていました。

田中遙音 投手「単純に自分の力不足」

京都外大西高校の田中遙音投手は、泥だらけになった背番号「1」のユニフォームで取材に応じ「7失点してしまい、まだまだ弱いと思いました」と振り返りました。
試合途中から雨と風が強まり、難しいコンディションになったことについては「正直投げづらかったですが、相手も同じ状況です。単純に自分の力不足です」と話しました。
センバツ出場が決まった際「マウンドでの立ち姿を見てほしい」と語っていた田中投手は、初めての甲子園でのピッチングについて「ヒットやフォアボールでランナーを出しても『次、抑えるぞ』と意気込んでとにかく笑顔でいることを意識していました」と話しました。
そして、夏に向けて「環境が変わると自分のピッチングができなくなったので、風が吹こうが雨や雪が降ろうがどんな環境であっても自分のピッチングができるようにあすから練習をやっていきます」と力強く話していました。

◇大会直前にメンバー入りの2年生が好投

史上4校目の大会連覇を目指す山梨学院。大事な初戦の先発ピッチャーを任されたのは、大会直前にメンバー入りした2年生の津島悠翔投手でした。

去年秋の関東大会、津島投手は準決勝と決勝で先発した期待のピッチャーの1人ですが、センバツ出場が決まった1月下旬以降、調子が上がらず、ストレートも変化球もよくなかったといいます。

そして先月中旬、今大会のベンチ入りのメンバーから外されていました。

「諦めずに練習しよう」

津島投手は気持ちを切らさずに努力を続け、今月2日に対外試合が解禁されてから強豪相手の練習試合で好投するなどアピール。今月上旬の選手変更で背番号11を勝ち取りました。エースの櫻田隆誠投手のコンディションが整わなかったこともあって、吉田洸二監督は、20日初戦の先発を津島投手に託すことを告げました。

吉田監督は抜てきの理由について「いちばん安定しているので、安定している投手を先に起用しようと思いました」と説明しました。

できるだけ長いイニングを投げることを目指してマウンドに向かった津島投手。2回に1点を先制されましたが、その後は大きく曲がるカーブとスライダーをうまく使いながらストライク先行のピッチングをみせ、6回を投げて無四球1失点と先発の役割を果たしました。

吉田監督は「甲子園の雰囲気にのまれないでよく投げたと思います。フォアボールを出さないということを本当にやってくれました。100点に近いんじゃないですか」と好投をたたえました。

津島投手は「少し緊張もありましたが、とにかく楽しんで投げようと思っていました。櫻田投手だけに負担をかけないよう、自分が投げる時はなるべく少ない点数に抑えてつなげていきたいです」と話しました。

去年の優勝から大きくメンバーが入れ替わった山梨学院。優勝を経験していない選手たちが躍動し、連覇に向けて一歩を踏み出しました。