プーチン大統領 今後も治安機関が中核担う見通し示したか

ロシアのプーチン大統領は、圧勝した大統領選挙のあと、ロシアの治安機関の役割を称賛し、ウクライナ侵攻を続けるプーチン政権で今後も、治安や国防に関係する機関が中核の役割を担うという見通しを示したとみられます。

ウクライナと国境を接するロシア西部ベルゴロド州で、ロシア国防省は20日、ウクライナ軍の無人機を撃墜したと発表し、ウクライナ側からの越境攻撃とみられる動きが続いています。

また、ロシア南部サラトフ州のエンゲルス上空でも無人機を撃墜したとしていて、独立系メディアは、ロシア軍の戦略爆撃機が配備されている空軍基地が狙われた可能性があると伝えています。

一方、プーチン大統領は19日、ロシアの治安機関FSB=連邦保安庁の会合で演説し、「敵の部隊や外国のよう兵、敵に寝返った者からなるテロリストたちが、ロシアへの侵入を試みたがすべて失敗した」と述べ、ウクライナからの攻撃を撃退していると主張しました。

また、「憲法の秩序を守り、選挙中も内政干渉をおさえこみ、公共の安全を確保した」と述べて治安機関の役割を称賛しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は19日、「プーチン大統領は大統領選挙の勝利に続く演説で、FSBをロシアの安全保障と主権の重要な保証人だと示した」と指摘しました。

そのうえで「みずからの5期目やウクライナでの戦争で、『シロビキ』が固く結束して支えることを示したとみられる」と分析し、ウクライナ侵攻を続けるプーチン政権では今後も「シロビキ」と呼ばれる、治安や国防に関係する機関の職員や出身者が中核の役割を担うという見通しを示したとみられます。