バンクシー 木を利用した新たな壁画を制作 自然破壊への警鐘か

鋭い社会風刺画で知られる正体不明のアーティスト、バンクシーが、イギリスのロンドンで枝や葉が切り落とされた木を利用した新たな壁画を制作しました。自然破壊への警鐘ではないかと伝えられ注目を集めています。

ロンドン北部の住宅街にある建物の白い壁の一面に、今月17日、緑色のペンキが塗られているのが見つかりました。

壁の前には枝や葉が切り落とされた高さ4メートルほどの桜の木があり、離れて見ると、木に葉が生い茂っているように見えます。

壁の左下にはホースのようなものを持つ人物も描かれ、18日、バンクシーがSNSで自分の作品だと認めたため、新作をひと目見ようと、大勢の人が集まっています。

作品の隣の家に住む40代の男性は、「窓を開けると、まずこの作品が目に入る。集まってきた人と、ここで一緒に作品の意味を推測するのはとても楽しい」と話していました。

作品を見ながらスケッチを楽しむ人たちもいて、20代の女性は、「私の家の通りにバンクシーの作品があるなんて本当に驚きだ。言葉では説明できない」と話していました。

現地メディアは、春が訪れる中、葉が1枚もない木を見かけたバンクシーが、自然破壊への警鐘として制作したのではないかと伝えています。

また、バンクシーの作品をめぐっては作品が持ち去られるなど被害にあっていたことから、バンクシーは今回、実際に生えている木を作品の一部としたことで持ち去られにくくしたのではと注目を集めています。